大阪・関西万博の目玉の1つ「空飛ぶクルマ」に突然発生したトラブル。
28日午後3時過ぎから開かれた博覧会協会の会見で記者から質問が飛びました。
博覧会協会・高科淳副事務総長:
(Q.再開するめどは)まだ具体的なタイミングという意味では承知はしていないと。
再開のめどが立たない中、SNS上では、機体が破損した瞬間について、「何らかの物体が投げられたように見える」との声も上がっています。
はたして、空飛ぶクルマに何が起きたのでしょうか。
大阪・関西万博の目玉「空飛ぶクルマ」に起きた破損トラブルの瞬間を捉えた映像があります。
26日午後3時ごろ、現場付近には「空飛ぶクルマ」のデモ飛行を見るために大勢の来場者が詰めかけていました。
その熱い視線に操縦士も手を振って応えた次の瞬間、大きな音とともにプロペラの1つが機体から脱落。
よく見ると、さらに別の部品が落下しているのも分かります。
さらに別の動画には、破損した音が聞こえると操縦士が慌てて操縦かんに手を戻す様子も記録されていました。
飛行していたのは観客が入ることができないエリアで、けが人はいませんでした。
「空飛ぶクルマ」は垂直離着陸が可能な次世代の移動手段で、そのデモ飛行は万博の目玉です。
今回、破損トラブルが起きたのは、アメリカのリフト・エアクラフト社が開発・製造した「HEXA」という機体。
トラブルの原因について、SNS上では「何らかの物体が投げつけられたように見える」と指摘する声が上がっています。
実際に映像を見直すと、プロペラが外れる直前、画面の左から右へと何かが横切っているように見えます。
一方で、別角度の動画では、そのような物体は見られない代わりに、破損した部品が飛んでいるように見えます。
これらの映像を見た「空飛ぶクルマ」の研究者は、次のような見方を示しました。
慶應義塾大学 SDM研究所・中野冠さん:
動画を見る限りで言えば、石のようなものが飛んできたように見えなくはないが、はっきりしたことは分からない。この機体はすでに高頻度で飛んでますので、その意味では金属疲労や何か機体の不具合が出ているかも。
博覧会協会は28日以降、当面の間、運航を休止すると発表しましたが再開のめどは立っていません。
「空飛ぶクルマ」の運航をしていた大手商社・丸紅は「全ての原因を調査する」とコメントしています。