ベトナムを訪問している石破首相は28日、チン首相と会談し、インフラ整備の支援や半導体・脱炭素など幅広い分野での協力強化を確認しました。また世界経済や トランプ政権の関税措置についても意見交換し、多角的自由貿易体制の維持・強化に寄与していくことで一致しました。
今週にはアメリカとの関税交渉2回目が予定されていますが、ポイントはどのようなところにあるのでしょうか。
石破政権まで16の政権を取材している、ジャーナリストの青山和弘さんに聞きます。
【ジャーナリスト 青山和弘さん】「まず1回目の会合は、土台作りみたいなもので終わったと思います。実質的な交渉はこれから入っていくのですが、そこで大事になるのが、他の国と協力関係を持っておくことなんです。日本だけが抜け駆けをして、『日本だけ何とかお目こぼしを』というわけにもいかないんです」
■「まず東南アジアの国々を味方につけ、それを背景に交渉」青山氏がみる石破首相の思惑
【ジャーナリスト 青山和弘さん】「例えば自動車の関税とか、鉄、アルミというのは全世界で一斉にかかっていますから、日本だけその税率を下げてもらうというわけにもなかなかいかない。そんな中で今回、石破さんはいろんな国がある中で、あえてベトナム、そして明日フィリピン訪問を選んだ」
【ジャーナリスト 青山和弘さん】「ベトナムは、46パーセントの相互関税という、ものすごい高い関税をかけられています。そんな中でTPPの仲間でもあるベトナムをやはり味方につけておく、特に今、中国がベトナムを自分のところに引き寄せようとしています」
【ジャーナリスト 青山和弘さん】「トランプさんの関税交渉などによって、世界の市場が変わっていくときこそ、まず東南アジアの国々を味方につける。そういうものを背景に、(経済再生相の)赤沢さんに交渉してもらうということを思い描いている。その一環だということだと思います」
これからトランプ政権との厳しい交渉が予定される中で、布石となるベトナムとの会談であるとも言えそうです。
(関西テレビ「newsランナー」 2025年4月28日放送)