富山県の人口が想定を超えるスピードで減少するなか、様々な業種で人手不足が深刻化しています。

どう社会を維持するかを検討する県の組織が発足し、全国に先駆けた「富山モデル」の創出へ意見が交わされました。

県庁内に28日新たに設置された「人材確保・活躍推進本部」。

業種ごとの人材確保に向けた具体的な対策を検討する組織で初めての会議が開かれました。

会議ではリクルートワークス研究所の古屋星斗主任研究員が講演し、人口減少によって15年後の2040年に全国で「1100万人」の人材不足に陥るとのシミュレーションを説明。

一人暮らしの高齢者が増えるほど医療・介護サービスの需要が高くなることを例にあげ、社会構造の変化が人材不足につながると指摘しました。

*リクルートワークス研究所 古屋星斗主任研究員
「ひとつの困りごとは小さいですが、大量の困りごとを支えるために働き手、サービスが必要になってきているということから労働需要にもたらす働き手の需要を押し上げていると考えることができる」

そのうえで特に医療、福祉、教育、建設など社会の基盤を支える、エッセンシャルワーカーの課題を、最先端技術を活用して、解決していくことが重要だと述べました。

富山労働局のまとめによりますと、特に、建設・採掘従事者の有効求人倍率は、今年2月時点で10倍を上回りサービス職の従事者でも1倍を大きく上回るなど人手不足が深刻化しています。

会議で県の幹部が医療・福祉分野の仕事にどう魅力を持たせるかを問うと古屋さんは、事務作業による負担を減らし、専門職としての業務に特化することで、「自己重要感」を高めることが大事だと答えていました。

県は、この会議を秋までに5回程度開き、県内の産業構造や人口動態を踏まえた県独自の対策案をとりまとめる考えです。

*リクルートワークス研究所 古屋星斗主任研究員
「エッセンシャルワーカーを支える現場感のある、当事者の方の声を反映した戦略である必要があるし、加えて未来を示す、この2つが軸になるのではないか」

富山テレビ
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