この夏に実施される参議院議員選挙を前に、生活への支援策として、国会では『減税』の議論が活発化しています。

立憲民主党は「1年間、食品の消費税ゼロパーセント」を参院選の公約に盛り込む方針を表明しました。

そして日本維新の会も食料品の消費税を、2年間「ゼロパーセント」、国民民主党は食料品に限らない消費税減税を主張しています。

与党の公明党からも減税や給付を盛り込んだ参院選に向けた重点政策が発表されました。

そして、自民党の一部からも消費税減税を求める声が出ていますが、政府は消費税減税について否定的な立場で、その理由を社会保障制度を支える重要な財源としています。

こうした『減税合戦』ともいうべき状況に、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、「石破総理への取材歴20年」のジャーナリスト・鈴木哲夫氏は、政府の反対論の中にあっても石破総理は「減税に持っていきたい意識がある」と指摘しました。

■「とれたてっ! 」が100人にアンケート

このような状況となっているなか、関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ! 」では街の人・100人に調査した結果、以下となりました。 (今月20日実施)

▼減税すべき       50人

▼現金給付すべき     5人

▼現金給付も減税もすべき 33人

▼どちらも見送るべき   12人

50人が『減税すべき』ということで、『現金給付すべき』という声を多く上回っている状況です。


■「参議院選挙の最大の争点が『減税』」と鈴木氏

『政治取材歴30年以上・石破総理取材歴20年以上』のジャーナリスト鈴木哲夫さんは、参議院選挙の最大の争点が『減税』としたうえで、石破政権もこの『減税』を意識しているのではないかと指摘しました。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「今度の参議院選挙の最大の争点が、多分この減税。特に消費税の減税になるんじゃないかってそういう色になってきましたね。野党が全部とにかく減税っていう、多少何をどうするかの差はあるんだけど。

ただ石破さんはどうするんだと。今のところやらないような姿勢だけど、僕の取材では、石破さんの中ではやっぱり減税に持っていきたいっていうか、その意識があるんじゃないかな」


■「バラマキの現金給付はダメだって有権者が気づいている」

発言としてまだ含みを持たせているという段階ですが、7月の参院選までに何かの立場表明があるかもしれないということでしょうか?

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「その通り。はっきり言って、減税に対して何もやらなければ、選挙厳しいですよ。だから単純に選挙対策という意味でも、減税に近いことをなんかやらなきゃいけないんじゃないかっていう。

ほかの政策も全部そうだけど、まずいものは選挙の『後』、選挙があるときは勝つためにおいしいものをばら撒く。これはもうずっとそうですよ。いつも有権者は『あぁそうか、じゃあ』って投票行動するけど、今回はちょっと違うんですね。

それがさっき青木さんが出してくれた街の声です。本当は『現金を給付する』、要するにお金をバラマキますよって言ったら、(国民が)『あ、お金もらえるなら』なんて(思って)、選挙で有利にいっていたけど、今回はそれよりもちゃんと減税という形にしようっていう。バラマキの現金給付はダメだって有権者が気づいているんです」

■「減税前提で中身はどうかなっていうのを有権者は見ると思う」

仮に減税が進められたとして、どのような形の政策になっていくのでしょうか。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「ポイントとしては石破さんが『自民党も減税やります』って決めたら、まず野党が攻めてきている争点を交わすことができますよね。みんな『減税!』ってなるわけだから。そうすると、今度は中身になってくるわけです。今、例えば野党の中でも、消費税全部5パーセントに下げるっていうのもあれば、食品だけをゼロにするっていうのもある。

そこに対して石破さんがどれだけ効果もあって、現実的で財源もきっちりしますっていう案を出すか。 多分僕、有権者は今度はそこ(減税の中身を)見ると思う。つまり減税というのを前提で、減税の中身はどうかなっていうのを。そういう意識の高い投票行動になるのかなって気がします。期待しています」


■「軽減税率、時の経済に合わせて上下させるべき」

また、鈴木哲夫さんは、軽減税率をうまく活用していくべきだと指摘しました。

【ジャーナリスト 鈴木哲夫さん】「政権っていうのは財務省が一番力を持ってる。だってお金を持ってるから、一番強いわけですよね。財務省は消費税が安定財源だから、常に消費は続くから入ってくるでしょ?だから消費税を減らしたり、なくしたりしたくないっていう。財務省がお金を持っているだけに、政権に対して影響力もあるわけですね。

だけど軽減税率ってあるじゃないですか。これは時の経済に合わせて、上下させるべき。せっかく入れてるんだから。僕なら食品の消費税をゼロパーセントにする。2年したら戻す。また1年して悪ければゼロパーセントに。そういう形にしていくきっかけが今だと思います」

(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2025年4月28日放送)

関西テレビ
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