労働組合の中央組織「連合」は26日、東京の代々木公園でメーデー中央大会を開催し、来賓としてあいさつした石破首相は「物価上昇に負けない賃上げを必ず実現する」と述べ、非正規を含めた全ての労働者の賃上げを実現する決意を強調した。
石破首相はあいさつで、「我が国における経済政策の最重要課題は賃上げだ。賃上げこそが成長戦略の要との認識のもと物価上昇に負けない賃上げを必ず実現する」と述べた。
その上で「今まで日本の国はコストカット型の経済ではなかったのか」と指摘し、「きちんと賃金が上がる、下請けの皆さん方にきちんとお金が払われる、新しい商品・新しいサービスを開発するための投資は決して惜しまない、そのような付加価値向上型の経済を皆様と共に目指していく」と語った。
さらに、今年の春闘で高い賃上げが実現したことを踏まえ、「これを働く人々一人一人の実感に変えていかなければならない。私どもとして忘れ去られた人々はないか、未組織労働者、組合に入っておられない方々、非正規の労働者の方々も含め、すべての方々の賃上げを実現するために皆様と共に取り組んでいく」と決意を示した。
さらに、アメリカのトランプ政権による関税措置について「国内産業に大きな影響を及ぼしかねない事態だ。政府として、賃上げの勢いに水がさされることのないように、合衆国政府に対して措置の見直しを強力に訴えていく。日本国の労働者を守るために、そしてどちらか一方が得をするのではなく、共に力合わせ、いかに雇用を作り、いかに生産を拡大するか、そのためにこれからも合衆国との交渉に強力に臨んでいきたい」と強調した。
物価上昇やコメ価格の上昇については「なぜ米は高いのか、なぜガソリンは高いのか、多くの原因がある。政府として最大限の対応はするが、それは違うのだよ、現場ではそうではないという声を聞かせていただきたい。ともに日本国をさらに力強く、発展させ一人一人の人々の幸せを実現するために皆様と共に努力していく」と呼びかけた。