高齢化や人手不足が深刻な日本の農業、その一助となる農業のスマート化に向け敦賀市内の田んぼで除草用ロボットの試験導入が行われました。スイッチを押して放っておくだけで勝手に田んぼの除草をしてくれるロボットで、福井市内のIT企業が開発しました。
敦賀市沓見にある農業法人「株式会社ミライスつるが気比」の田んぼです。4日前に田植えをしたばかりです。
今回試験導入された自動除草ロボット「OKAKI」、福井市のIT企業ナチュラルスタイルの松田優一社長が開発しました。25日は松田社長が農業法人の従業員らにロボットの動作や使い方の説明などを行いました。
ナチュラルスタイルの松田優一社長は「浮かべておくだけで自動で動いてどんどん草を取ってくれる」と話します。
ロボットのブラシが田んぼの泥の表層部分をかき混ぜることで、雑草の種を取り除いたり雑草の光合成を妨げて生育を抑制したりします。GPSやソーラーパネルを乗せているため、スイッチを押すだけで後は自動で動いてくれます。
実は開発した松田社長は兼業農家で、自分自身も無農薬のコメ作りを目指す中で農薬に頼らない人の手による除草の限界を感じたことがロボット開発のきっかけとなりました。
松田社長は「コメも足りていないという流れもある。こういうロボットをきっかけに人手をかけずとも無農薬でのコメができるとなれば、みんなやってみようと思ってくれるのでは。今後もどんどん開発していきたい」と話します。
ミライスつるが気比の浅野好一営業課長は「除草剤は使わない。人間の手で草を取らなくていいのであればそんな便利なことはない。安全安心なコメをもっとつくっていきたい」と期待します。
ミライスつるが気比は、試験導入の結果を踏まえ今後の本格導入を検討したいとしています。
25日は試験導入でしたが、実際に商品化されたものは、2024年の12月に販売受付を
開始し、全国で既に1000台売れ、2025年度分としては完売しているということです。