石破首相が、27日から30日までのベトナム、フィリピン訪問の中で、防衛装備品の供与や軍情報に関する協定締結に向けた協議など、安全保障面での具体的連携強化を確認することがわかった。
最初に訪問するベトナムでは、トー・ラム書記長やチン首相をはじめとするベトナムの指導者と会談を行う。会談では、日本が同志国の軍に防衛装備品などを供与するOSA=政府安全保障能力強化支援を通じた支援の意向を伝える。
フィリピンでは、マルコス大統領と会談し、防衛秘密などの情報を共有するためのGSOMIA=軍事情報包括保護協定の早期締結に向けた協議の開始を確認するほか、ACSA=物品役務相互提供協定の締結にむけた交渉を開始することで合意する。
アメリカのトランプ政権による関税措置を受けて習近平国家主席がベトナム、マレーシア、カンボジアを訪問するなど、中国がASEANに接近する中、日本としてベトナム・フィリピン両国との安全保障分野をはじめとした協力を強化する狙いがある。会談では、関税措置への対応についても意見交換が行われる見込み。
石破首相は、1月にもマレーシアとインドネシアを訪れていて、ASEANを重要視する姿勢を示している。