親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる、慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』。23日、検証のための熊本市の専門部会が開かれました。このうち妊娠に関する相談は昨年度、その前の年度に比べてやや下回ったことが明らかになりました。

昨年度1年間に県、熊本市、慈恵病院に寄せられた妊娠に関する相談件数は合わせて4115件で、前の年度を158件下回りました。

このうち熊本市への相談は2661件で、前の年度に続き昨年度も慈恵病院への相談件数を超え過去最多となりました。

市は「匿名で夜間も受け付ける妊娠内密相談センターを2023年度に開設し相談体制を確立できたことが大きな要因」としています。

一方、昨年度の慈恵病院への相談件数は1421件で過去10年程の中では最も少なくなりました。

これについて慈恵病院の蓮田 真琴 新生児相談室長はTKUの取材に対し「行政の相談窓口が増えたことが要因の一つ。しかし慈恵病院には誰にも伝えず未受診の妊娠や差し迫った状況での相談などその内容は緊迫している。1人に対し長い期間関わるケースも多い」と述べました。

また、専門部会は23日、昨年度下半期の『ゆりかご』の運用に「明らかな違法性はなかった」としています。

『ゆりかご』の昨年度の預け入れ件数などについては来月28日に公表される見通しです。

テレビ熊本
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