アメリカの関税措置を巡る交渉について、石破首相は、20日に出演したテレビ番組で、「安全保障と貿易を絡めて議論をすることは正しいと思っていない」と述べ、安保分野については「関税と絡めない形で議論する」と強調した。
石破首相は20日朝に出演した番組で、トランプ政権の関税措置への対応について説明した。
この中で、トランプ大統領が在日米軍の駐留経費などについて不満を示していることに関し、石破首相は、「安全保障と貿易は違う分野の話で、絡めて議論をすることは正しいと思っていない。関税と絡めない形で議論する」と述べた。
また、赤沢経済再生相が訪米した際、「向こうが『1はこれ、2はこれ、3はこれ』と言ったわけではない」と優先順位が示されなかったことを説明しつつ、「日本に限らず世界各国との貿易赤字ということが一番だろう」として、アメリカの貿易赤字の解消を最優先にしているとの認識を示した。
関税以外による貿易の制限である非関税障壁を巡っては、日本での自動車の基準について、「日本の消費者の安全は考えていかないといけない。アメリカと日本と交通事情が違う」として、「アンフェアだと言われないようにしなければいけないので、色々な詰めは、きちんとやる」と強調した。
さらに、農産品の輸入における基準ついても、「日本人の安全は、きちんと守っていかなければいけない。それを譲ることは考えていない」と語った。
一方、アメリカ以外の国との関係については、「各国との連携は非常に重要だ。日本とアメリカさえ良ければいい話にはならない」として、各国の首脳らに対し、「日本はこう考えているという発信は、これから先、誠実に熱心に行う」と述べた。
今後の交渉については、「最後は私と大統領が話を決める」としつつ、「そこに至るまでに、濃密な議論をきちんとやっていく。その上で一番いい時期に訪米をする」との考えを重ねて示した。