同じ年齢でも若々しく見える人と老けて見える人…。

 その違いはいったいどこにあるのか?

 「老けの差はズバリ、“食事”です」(消化器内科医・美肌評論家 工藤あき先生)

 そう断言するのは、シニア世代を中心に支持を集める「老けない人が食べているもの」の著者、消化器内科医で美肌評論家の工藤あき先生。

 “むき卵肌ドクター”の愛称で親しまれ、こう見えて今年で37歳。

 「最近の研究で、若々しく見えるという人は、体の中の内臓も若々しいということがわかってきているんです。(食事で)老化は遅くすることが可能だろうという風に言われ始めています」(工藤先生)

 そこで今回は「老ける原因」を食べ物で解消!

 今日から何を食べるかで、あなたの老けるスピードは変わるかも!?

 “老けない食事術”の新常識を教えちゃいます!

 早速ですが、クイズです!

 卵料理でおなじみの2つ!

 A:目玉焼き

 B:スクランブルエッグ

 「老けにくい食べ物」はどっちでしょうか?

 解説の前にもう1問!

 「老けにくい食べ物」はどっち?

 A:レアチーズケーキ

 B:ベイクドチーズケーキ

 正解は…

 「レアチーズケーキの方が、老けにくくなります」(工藤先生)

 というわけで…老けにくいのは、目玉焼きとスクランブルエッグだと「スクランブルエッグ」。

 レアチーズケーキとベイクドチーズケーキだと「レアチーズケーキ」。

 その理由は…。

 「老化の原因となるAGEは、加熱の時間や温度が高いほど増えていきます。細胞を劣化させるようなイメージです」(工藤先生)

 “老けない食事術”、最初のポイントは、「AGE(エージーイー)」という老化物質。

 調理する際の加熱の仕方によって、AGEという“老化を進める成分”が増加するんです。

 AGEとは、食事などで摂取した糖が、体内のタンパク質と結びついて生成される物質で、最終糖化産物とも呼ばれます。

 これが老化を進める原因物質のひとつとされています。

 AGEは食べ物にも含まれていて、調理温度が高いほど発生量が増えます。

 揚げ物や炒め物、焼き物などに多く…。

 ゆでる、蒸す、煮るなどの調理法は加熱温度が低く、AGEの発生量は低くなります。

 そのため、「目玉焼き」よりも半熟の「スクランブルエッグ」、焼き目を入れた「ベイクドチーズケーキ」よりも「レアチーズケーキ」の方が、老けにくい食べ物…というわけなんです。

 調理法の工夫で、老けにくい体を作ることができるんです。

 さあ、続いての問題は…お肌の老化に関わるクイズ。

 老けにくい食べ方はどっち?

 A:生のトマト

 B:加熱したトマト

 正解は…Bの加熱したトマト!

 今度は過熱されている方?一体なぜ?

 「トマトの中に含まれる『リコピン』という物質は“食べる日焼け止め”とも言われています。なぜかというと、リコピンは紫外線による肌のイメージや、色素沈着などを防いでくれる効果があると言われているからなんです」(工藤先生)

 老けない食事術、2つ目のポイントは、トマトに含まれる「リコピン」という物質。

 シミやシワの主な原因は、「紫外線」です。

 紫外線を浴びると、肌に「活性酸素」が発生し、これによって「酸化」が進むと、肌の老化の原因となります。

 そんなダメージを防ぐ救世主が「リコピン」。「リコピン」には、強力な「抗酸化成分」が含まれていて、活性酸素の増加を抑える働きがあります。

 同じリコピンが含まれるトマトでも、なぜ「加熱したトマト」のほうが老けにくいのでしょうか。

 「トマトの『リコピン』というのは、トマトの細胞1個1個に含まれているので、細胞が壊れるようにすり潰したり、加熱したりすることでより効果が高まる」(工藤先生)

 加熱することでリコピンの細胞が壊れ、より体に吸収されやすくなるんです。

 さらに、“あること”をすると吸収率は、さらにアップするといいます。

 「トマトのリコピンというのは、油とも相性が良いと言われているので、トマトのスープにオリーブオイルを垂らしてあげるとか、パスタのトマトソースとして摂取できると言われています」(工藤先生)

 リコピンは、油と一緒に摂ると、さらに吸収率がアップ!

 より効果を高めるなら、朝に食べるのがベストなんだそうです。

 ではでは…続いての問題!

 さて、老けにくいバナナはどっち?

 A:緑色が残ったバナナ

 B:完熟したバナナ

 正解は…Aの緑色が残ったバナナ。

 その理由は…。

 「緑色が残ったバナナの方が『レジスタントスターチ』という『難消化性のでんぷん』が多く含まれています。この『レジスタントスターチ』は、食物繊維に似たような働きで、腸内環境を整えてくれる効果もあるので…」(工藤先生)

 今回のポイントは、「レジスタントスターチ」という成分。

 「レジスタントスターチ」とは、小腸で消化・吸収されずに、そのまま大腸まで届く「でんぷん」のこと。

 大腸に住む善玉菌を増やして、腸内環境を整える働きがあるんです。

 特に緑色が残ったバナナには、完熟したバナナよりも、多く含まれているんです。

 「近年研究が進んで、腸の中の悪い細菌が作った物質が腸から吸収されて血流にのると、肌まで届いて肌のくすみとかの原因になっているということが分かっているんですね。なので、腸内環境を整えてあげるというのは、肌の状態を整えることにも繋がると考えられています」(工藤先生)

 腸内環境が整うと、便秘が解消され、肌の調子もアップ!

 より美肌効果が期待できるそうですよ。

 老けない食事術、3つ目のポイントは、「腸内環境」を整えること!

 そこで先生オススメの“最強食材”があるといいます。

 「私がもし“腸活”として食品をひとつオススメするのであれば「納豆」です。納豆というのは、代表的な発酵食品ですよね。

 納豆に含まれる納豆菌というのは、すごく力強い存在なんです。

 というのも、朝って時間がないけど、パカっと開けるだけで一品になりますし、朝はタンパク質を摂ることが最近大切だということが分かってきているんです。

 本当に日本人、納豆を発明してくれてありがとうと思いながら毎朝食べています」(工藤先生)

 納豆は腸内環境を整えるだけでなく、タンパク質も豊富。

 そして、その食べ方にもポイントがあります。

 最近の研究では、朝にタンパク質を摂ることで体内時計が整い、1日の代謝が高まることが分かってきました。

 「だからこう考えると、朝オススメのものが結構多くて、夜とかその分減らしてあげると朝もお腹空きやすくなりますし、三食のバランスというのは、朝一番しっかり摂ってあげるのが理想」(工藤先生)


 そこで、先生が毎朝欠かさず食べているという朝食べると効果的な、究極の“老化防止めし”をご紹介します。

 「納豆とブロッコリースプラウトは、1週間分を週に1回買いだめして毎日食べています。ブロッコリースプラウトに含まれる『スルフォラファン』には、抗糖化作用もあるので、これは良い食品だなと思って毎朝食べています」(工藤先生)

 ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの新芽のこと。

 シャキシャキした歯ごたえで、辛味が少なく食べやすいのが特徴。

 この小さな芽には、『スルフォラファン』という栄養素がギュッと詰まっています。

 今までに紹介した「糖化」「酸化」を防ぐだけではなく、肝臓の解毒力を高め、免疫力アップや肌荒れ予防の効果も期待されています。

 まさに、最強の“美肌食材”なんです。

 「食事というのは誰しもが摂るものなので、せっかく摂るのであれば自分の健康に良いもの、美容に良いものを選択しながら続けてもらえたらいいなと思います」(工藤先生)

 老化のスピードは、毎日の食事で変えられる!

 今日から“老けない食事術”、みなさんも取り入れてみませんか?

北海道文化放送
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