東南アジア諸国を歴訪中の中国の習近平国家主席は、マレーシアでアンワル首相と会談し、アメリカの相互関税を念頭に団結して抵抗することを呼びかけました。
中国外務省によりますと、習主席は16日、マレーシアのアンワル首相と会談し「デカップリングやサプライチェーンの断絶、狭い場所に高い壁をつくり無差別に関税を課すことに対し、団結して抵抗したい」と表明しました。
その上で、習主席は「私たちはアジアの安定と確実性をもって世界の不安定性と不確実性に対処しなければならない」と述べ、アメリカのトランプ政権の相互関税を念頭に、中国とマレーシアが団結して抵抗することを呼びかけました。
アメリカは、マレーシアに24%の相互関税を課すと発表しています。
アンワル首相は地元メディアの取材に対し「いかなる圧力にも屈しない」と述べる一方、アメリカとの貿易関係は「依然として強い」と指摘しています。
会談後、両首脳はデジタル経済やサービス貿易など30以上の協力文書の交換に立ち会いました。
マレーシアはASEANの2025年の議長国で、中国が最大の貿易相手国です。
中国としては、地域の大国でもあるマレーシアとの経済関係をさらに強化することで、相互関税で対立するアメリカを孤立させたい思惑があるものとみられます。