熊本地震の本震で甚大な被害を受けた阿蘇神社では、16日全ての復旧工事を終えたことを報告する神事が行われました。また、神社近くでは地震の教訓を伝えようと提灯で商店街を彩る催しが行われています。中原アナウンサーのリポートです。
【西村 忠孝カメラマン 2016年4月16日】
「地震で崩壊しています、阿蘇神社の楼門です。国の重要文化財の楼門が崩壊しています」
熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇神社。江戸時代末期に建てられた楼門が全壊するなど6棟ある国の重要文化財全てが被災しました。地震から7年後のおととし、楼門が再建され部材のおよそ7割を再利用し、耐震性も強化されました。
【中原 理菜 リポート】
「そして、去年12月に楼門の横にある透塀などが再建され、全ての復旧工事が完了しました」
本震から9年を迎えた16日は、復旧した拝殿で全ての工事を終えたことを神様に報告する神事が行われました。
【阿蘇神社 阿蘇 惟邑 宮司】
「最初は〈10年くらいかかる〉といわれていましたので、9年をもちまして全て完了したことを皆さまからの気持ちのたまものだと深く感謝している」
阿蘇市によりますと、観光客の数は地震前の2015年は494万人。
地震で減少したものの、去年は約688万人と順調に回復。
門前町商店街も平日にもかかわらず、にぎわいを見せていました。
【丹波屋 岩永 芳幸さん】
(中原Q、門前町商店街のにぎわいは)
「地震から少しは落ち込んでいたが、コロナも明けてにぎわいが戻ってきた。あるべきもの(阿蘇神社)がそこにあるのは心強い。支えになる」
門前町商店街周辺では約2000個の提灯を点灯する『阿蘇ちょうちん祭』も開催。
ことしは地元の人たちの願いが込められた短冊も飾られています。
『阿蘇ちょうちん祭』は5月6日まで。午後6時から10時まで点灯されるということです。