コメの価格高騰が続く中、人気が高まっているのがふるさと納税の返礼品のコメです。福井市では2024年にコメの価格が上がって以降、返礼品のコメへの寄付が増え始め、寄付額は前年度の3倍にもなっています。
福井市のふるさと納税の返礼品は、福井市内で製造・販売されている食品や工芸品が中心で、福井市産のコメも100種類ほど扱っています。このコメへの寄付の現状について、福井市ふるさと納税推進室の上坂政彰さんは「昨年度産の在庫は、今年の年明けにはなくなった。7年度の先行予約は早いもので1月から行っている」と話します。
福井市でコメへの寄付が増え始めたのは2024年の夏頃で、年明けから在庫がなくなるものも出始めたということです。そして、切れ目なく1月頃から2025年産の先行予約が入り始めました。コメを収穫する前の時期に、これほど早く先行予約を受け付けることは珍しいと言います。
市のコメの返礼品は、特別栽培米やブランド米など“こわだりのコメ”の扱いが多く、全国的に見ても価格は決して安くはありません。さらに、コメの価格高騰に伴い返礼品の価格も年々上昇し、2年前の1.5倍にまで上がっています。こうした中でも寄付額は延びていて「令和5年度には3000万円だったが、6年度には9000万円と額が3倍になった」と上坂さん。
寄付額は前年の3倍に急増し、注文のあったコメの量は2023年度は約13トンでしたが、2024年度には約30トンに激増しました。
福井市で2025年3月までに注文を受けたふるさと納税返礼品のうち、コメが占める割合はすでに3割を超えていて、コメの人気は高まり続けています。上坂さんは「在庫の確認を徹底し、発送延期などにならないよう注意している。今年度はまだ余裕があるので慌てて注文しなくても大丈夫」としています。
福井市では、返礼品のコメへの需要が高まったことについて「物価高騰の影響で全国的に日常使いの品が人気なので、食品の中でも毎日、口にするようなコメへの必要性も高まったのではないか」と分析しています。
そして、もっと寄付額を伸ばしているのが越前町です。コメへの寄付額は、2023年度は約1万1000件で寄付金額が約3億1000万円だったのに対し、2024年度は3000件増の約1万4000件で寄付金額は2億円以上増えて約5億2000万円となっています。
また、大野市ではすでに2025度産米の予約を終了している商品も出始めています。
勝山市では2024年度、収穫前に先行予約が埋まってしまったということです。
このほか、越前町、南越前町、若狭町などでも2024年度産のコメの在庫はなく、2025年度産の予約の受け付けを始めているということです。