※この動画にはクマがシカを襲う映像が含まれています
4月12日、北海道北部の上川町でクマが生きたシカを襲う姿が目撃された。その後、クマは立ち去り、シカは撤去されたが、動き始めたクマの行動の意味を分析する。
冬眠から目覚め活動するクマたち
山の斜面を歩く親子グマ2頭。4月12日午前8時50分ごろ、北海道北部の三国峠の頂上付近で撮影された映像だ。
春になり冬眠から覚めたクマが活動する時期になった。

“シカを襲うクマ” 一部始終を旅行客が撮影
一方、こちらは4月12日、上川町の層雲峡で午前6時50分ごろに撮影された映像。雪の残る斜面で生きたオスジカを襲い、抑えつけている。
「最初シカが生きていると思わず、母は『かわいそう』と言っていたが、私は野生のクマを見たことがなくびっくりした」(目撃者)
この映像は、北海道を旅行中の家族が宿泊していたホテルの客室から撮影した。体長1メートルから1.5メートルくらいの成獣とみられる。

「シカは最後の力をふり絞って逃げようしたが、クマにかなりかまれていたので、弱って下の方に落ちていった」(目撃者)
目撃者によると、クマは逃げようとするシカと15分ほど格闘し、最後は弱り切ったシカが斜面を転がり落ちたところで終了。クマはシカを残し山へ去った。
再び現れることを防ぐため、シカは回収された。

「襲って食べることを学習している個体の可能性」
この光景を、クマの生態に詳しい専門家は―
「生きたシカを襲うことはないことはないが、珍しい映像でびっくりした。生きたシカを襲って食べることを学習している個体の可能性はあると思う。(シカを)放置した状況ならクマが(再び)やってくる可能性もあると思うが、おそらく適切に処分されたと思うので(シカを)追いかけることはないと思う」(酪農学園大学 佐藤喜和教授)
現場はホテルなどが立ち並ぶ温泉街が近く、警察が警戒を強めている。
