誰もが楽しめる五感を使ったファッションに迫りました。

新宿高島屋が9日から期間限定でオープンしたポップアップストア「Fashion for ALL your SENSES」。

並ぶのは全て視覚障害者の意見を反映した“インクルーシブファッション”です。

チュールを重ね着したカットソーは、ひもがほどけても気付けないという視覚障害者の意見を反映し、あえてチュールを固定。

常に携帯しておきたい障害者手帳やスマホがすっぽりと入るサイズのポケット付きのカットソーもありました。

異素材を使い、ポケットが分かりやすくなっています。

試着室には、色が調節できる照明を設置するなど売り場にもひと工夫。

商品の脇には点字で一言「ベージュ 柔らかな日が差す穏やかな砂浜」。

詩的な一文の謎を解く鍵は、タグです。

タグに付いている香りをかいで、匂いのイメージでカラーリングを想像できるということです。

色を感じられる“言葉と香り”で仕掛け。

見える人だけでなく、見えない人もしっかりと楽しめるファッションを届けるのが狙いです。

取り組みの開始は2024年1月。

視覚障害者・末棟武虎さん:
どうしても聞き手に白杖(はくじょう)を持つので、持ち替えたときにすぐに(ポケットから)出せるようになると安心する点ではある。

試作品について意見をもらったり、どうやって商品を手に取るのかといった空間把握についても売り場の状況を再現してヒアリングしたり、嗅覚、触覚にもアプローチした買い物体験など、視覚障害者と幅広くディスカッションを重ねてきました。

視覚障害者・工藤星奈さん:
視覚障害者当事者が「こういうふうに服を選んでいるんだな」ということに興味を持ってくれることもありがたいことだし、すごく貴重な機会だなと思う。

実際、商品を見た人からは「フリルの感じとかたっぷりしたシルエットとか、ファッションとしてもステキだなと思ったので一般の方も着たいと思うかなと」「大きい百貨店がやることでいろんな人の目につくのはすごく良いことかなと」などの声が聞かれました。

高島屋MD本部 マーチャンダイザー・竹村健太課長:
LGBTQであったり、いろんな趣味嗜好(しこう)の方がたくさんいる中で、それぞれがそれぞれの考えに寄せるのではなく、それぞれの感覚自体で楽しめていくような世の中になっていきたいと思っているので、そういったところを支えるような百貨店でありたいなと思っている。

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「経済部」は、「日本や世界の経済」を、多角的にウォッチする部。「生活者の目線」を忘れずに、政府の経済政策や企業の活動、株価や為替の動きなどを継続的に定点観測し、時に深堀りすることで、日本社会の「今」を「経済の視点」から浮き彫りにしていく役割を担っている。
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