国際色豊かな入学式の話題です。
南阿蘇村の専門学校『イデアITカレッジ阿蘇』では海外からの新入生を含む28人が9日、入学しました。
3月28日に大地震が起きたミャンマー出身の学生も新たなスタートを切りました。
熊本地震からの地域復興を背景に2021年、開校した専門学校『イデアITカレッジ阿蘇』。2年間で、IT技術や世界規模の観光について学びます。
新入生28人のうち、15人が海外からの入学です。
代表であいさつしたのはミャンマーから来たヨン・ワティ・ナインさん。
3月起こったミャンマーの地震で被害が大きかったザガイン管区出身です。
【ミャンマーから入学 ヨン・ワティ・ナインさん(20)】
「いまの私にできることは、しっかりと勉強に集中して毎日を大切に過ごすことだと思っています」
4月6日、南阿蘇村で開かれた復興支援のチャリティーイベントです。
イデアITカレッジへの入学を控えたヨンさんはこの場で地震当時のふるさとの様子を語りました。
【ヨン・ワティ・ナインさん】
「橋が2つあったが、そのうちの一つは壊れてしまった。病院もけがした人が多くて薬なども足りなくなっている」
震源に近いザガイン管区に住んでいたヨンさん。
自宅は倒壊を免れ家族も全員無事でしたが、友人を亡くしました。
【ヨン・ワティ・ナインさん】
「私の友達なども死んでしまった。おとといも家族から連絡が来て別の友達のお父さんも死んでしまった」
また、約6年間、ミャンマーに在住経験のあるイデアITカレッジ阿蘇の鈴木 俊良(しゅんすけ)副校長が日本を含む各国やNGOによる支援状況を説明しました。
【イデアITカレッジ阿蘇 鈴木 俊良 副校長】
「熊本も2000人以上のミャンマーの人々がいる中で地震のことを知ってもらうのはもちろんだけど中長期的な目線で関心を持って寄り添い続けてほしい」
会場にはヨンさんのほかにミャンマーから来た学生5人も駆けつけ、ミャンマーの珈琲や紅茶、お菓子を前に参加者と交流を深めました。
【参加者】
「報道で見るのと、実際にミャンマーの方から話を聞くのとでは全然印象が違って、身近な話というかいろいろな話が聞けてとても良かった」
【参加者】
「熊本地震があった時のことを思い出しながら苦しくなることもあったけど前を見て少しでも応援ができるならと思ってそういう気持ちでいます」
この日、参加者からは10万円を超える寄付が集まり、現地で活動するNGO団体に全額寄付されるということです。
【ミャンマーから入学 ヨン・ワティ・ナインさん】
(どんなことを勉強したい?)
「ITソリューションです」
「今の夢は日本で2年間くらい働いてそのあとは、日本以外の国でも働きたいと思います」
ミャンマーからはるか遠く、南阿蘇の地で新たな仲間と共に第一歩を踏み出したヨンさん。
イデアITカレッジでの講義を通し、国際的に活躍できる人材を目指して学びの2年間を過ごします。