国内外でリゾート施設や温泉旅館などを展開する「星野リゾート」は、県立恐竜博物館がある勝山市の長尾山総合公園で建設が予定されているホテルについて、2027年秋にオープンすると発表しました。ホテル名は「リゾナーレ福井」で、星野リゾートが展開するリゾートホテルとして北陸初進出となります。
3月31日には現地で起工式が行われ、事業者の星野リゾートや熊谷組、公園を管理する勝山市の水上市長らが工事の安全などを祈願した後、ホテルの概要が報道陣に公開されました。
「リゾナーレ福井」のオープンは2年半後の2027年秋。建物はアカマツが群生する長尾山の森に馴染むよう松ぼっくりに似た円柱型のデザインで、地上8階、地下1階の施設内に客室100室を設けます。恐竜博物館のすぐそばという立地を生かし、様々な恐竜コンテンツと連携したアクティビティが体験できる予定です。
星野リゾート企画開発グループディレクター・瀬尾光教さん:
「長尾山総合公園の豊かな自然と、なんといってもこの恐竜をテーマに色んなコンテンツがあるので、連携して他のエリアにはないようなリゾナーレとしていきたい。このエリアの魅力を丁寧に発掘し、オール福井で魅力的な発信ができればいい」
「リゾナーレ」は星野リゾートが展開するリゾートホテルのブランドで、北海道・トマムや山梨県・八ヶ岳、グアムなど国内外に7施設あります。「リゾナーレ福井」は2025年、新たに開業する山口県下関市の施設に次ぐ9施設目で、リゾナーレブランドとしては北陸初進出となります。
星野リゾートでは、中京や関西からの観光客に加え、北陸新幹線の開業効果で増加が顕著な関東方面からの観光客も積極的に取り込み、開業後3年で稼働率8割を目指したいとしています。
星野リゾートが展開するホテルブランドは「星のや」、温泉旅館ブランドの「界(かい)」、街ナカに立地する「OMO(おも)」などがあり、「リゾナーレ」はその一つです。子どもから大人まで「リゾート」が満喫できるホテルという位置づけで、北海道のリゾナーレトマムや山梨県のリゾナーレ八ケ岳などがあり、「PLAY HARD」=「夢中になって楽しみ尽くす」をコンセプトに、その土地に合わせた景色や食を堪能できる特別な滞在を提供します。
今回のホテル建設事業は、勝山市が管理する公園で民間の星野リゾートらが観光の振興を図るといった官民連携のプロジェクトで、星野リゾートはホテルの運営以外にも公園全体の運営や管理も担う予定で、星野リゾートとしてのノウハウや発信力を生かして、恐竜博物館一帯がさらに賑わうことが期待されます。
今回発表された星野リゾートをはじめ、県内では、今後も観光ホテルやビジネスホテルのオープンが控えています。2025年は芦原温泉街に楽天グループがプロデュースする宿泊施設ホテルや、福井駅前と敦賀駅前にはドーミーイン系列のホテルなど4つがオープン予定で、現在までに8つのホテルが建設中もしくは建設予定となっています。
2024年は新幹線の開業効果で県内の宿泊者数が伸びたとはいえ、コロナ禍前には戻っておらず、インバウンドの誘客にも課題があります。
宿泊できる場所が有る無しで地域の消費額は大きく変わります。宿泊移設の「質」とともに「数」の充実も図り、さらなる宿泊者数の増加、そして経済効果が期待されます。