福井市内の結婚式場「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート」などの運営を手掛ける石川県金沢市の「かづ美」が、金沢地裁から破産手続きの開始決定を受けたことが分かりました。同社は2024年12月に民事再生法の適用を申請しスポンサーを募っていましたが、見通しが立たないことから破産手続きに移行していました。
民間の調査会社・帝国データバンク金沢支店によりますと、「かづ美」は1986年に創業し、1987年に法人化した石川県金沢市に本社を置くウエディング施設の運営会社です。
2004年にガーデンウエディング施設「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート金沢」を開業したのを皮切りに、結婚式場運営会社として業務を拡大。中国・上海に現地法人を設立し、海外展開も進めていました。
2010年には福井市内にも式場をオープンし、翌2011年6月期には約25億5700万円の売り上げを計上していました。
しかし、婚礼件数の減少に加え、競合施設の進出により、2019年6月期には約17億8400万円にまで収入が落ち込みました。加えて、中国現地法人の清算に伴い大幅な赤字を計上したこともあり、債務超過に陥りました。
さらに、新型コロナの感染拡大の影響もあり大幅な赤字計上が続き、借入金の返済猶予を金融機関に要請して立て直しを図っていたものの、自主再建を断念。2024年12月には民事再生法の適用を申請し2025年1月には再生手続きの開始決定を受け、スポンサーを募っていましたが、見通しが立たないことから破産手続きに移行していました。
負債は債権者約593人に対し約30億円です。