兵庫県の斎藤知事の記者会見が26日午後3時から行われた。知事は冒頭、不信任決議案への対応について、次のように述べた。
この記事の画像(7枚)兵庫県 斎藤元彦知事:この間、私自身も思い悩んできました。県政にとっても大きな判断です。議会の解散はせず、30日付で失職する。次期知事選で出直し選挙に臨ませていただくということを決めました。
正式に「失職して出直し選挙に出馬する」と発表した。
■「高校生からの手紙」できのう25日朝決断
知事は決断した時期について聞かれ…
兵庫県 斎藤元彦知事:きのう(25日)の朝ですね。ぶら下がり(取材)やらせていただいた後に、高校生が私のところに来られて手紙を渡していただいた。お叱りの手紙かと思ったんですが… いまでも見ると感情的になることもあるが…『やめないでほしい』と。 『未来のために頑張ってほしい』というお手紙をもらいまして。高校生が私に対してエールをわざわざ届けてくれましたんで、そこは…(少し言葉に詰まる)ぐってきたというかですね、はい。それが、『こんな自分でも期待してくれる人がいるんだ』ということを受け取った。選挙は大変だと思うんですけども、頑張ってみようと思った。
こう述べて、25日の朝、高校生から続投を望む手紙を受け取ったことがきっかけになったと話した。
■不信任決議案可決「本当にそこまでいかないといけなかったのか」
また議会から不信任決議案が可決されたことについては、次のように述べた。
兵庫県 斎藤元彦知事:知事というのは3年前に大きな負託を受けてならせていただいている中で、職を辞するというのは、かなり重大なことですので。私はそこは、不信任決議を出して可決というのは、議会のご判断ではありますけども、私は、本当にそこまでいかないといけなかったのかという思いは正直あります。
■「心の中におごりや慢心あった」
兵庫県 斎藤元彦知事:今回の問題を受けて、自分自身も県政3年間やっていく中で、心の中におごりであったりとか、慢心があったんだと思います。それが言動にもつながったと思うので、そういうことを2度としないということが、今回のことを通じて、改めて心に期するものがあります。 もしもう一度、知事をさせていただくんであれば、職員のみなさんとの接し方、それから議会とより、それぞれの議員の思いをもっと聞いていくことをしないといけない。そういったところから変わっていくつもりです。
■ことの発端は県幹部による「告発文」
ことの発端はことし3月、元西播磨県民局長が「パワハラ」などの疑惑についての告発文を一部の報道機関などに配布した。
知事は当初この告発文について、「嘘八百」などと全面的に否定。元局長は、県の公益通報窓口にも通報したものの、県は事実無根として、懲戒処分した。
しかし、その後、疑惑の一部が事実であることが判明し、調査のため百条委員会が設置されていた。百条委員会には元局長も証人として出席する予定だったが、ことし7月、死亡している。
■県議会議員は百条委員会での対応を問題視
その百条委員会では、元局長の告発について、通報者が処分を受けない「公益通報」に当たるかどうかなどが議論され、専門家は「公益通報として扱わなかったことは違法」だと指摘。
斎藤知事は、こうした指摘を受けても告発文は「誹謗中傷性が高い」などとして、「公益通報には当たらず処分は問題なかった」とする見解を変えなかった。
県議会議員たちはこうした判断など一連の対応を受けて不信任決議案を提出し、全会一致で可決。これを受け知事は、29日までに辞職か兵庫県議会の解散、30日付での失職のいずれかを判断することになっていた。
(関西テレビ 2024年9月26日)