100年続く伝統の出汁(だし)を使った「宇和島鯛めし」に、新居浜のソウルフード「ざんき」、そしてこだわりの具材を使った濃厚魚介ラーメンなど、愛媛のぜひ食べてもらいたい懐かしい地元グルメを紹介する。
宇和島が誇る郷土料理、鯛めしの王道
宇和島市中心部の道の駅「きさいや広場」。ここで地元の人々に聞いてみると、帰省したら食べてほしいグルメとしてダントツに多かったのが「鯛めし」だ。

「『鯛めし』です」「やっぱおいしいよね」「子供たちが東京から帰ったら食べに行こうかいうて連れていく」と、地元の人々が口をそろえて推薦するのが「ほづみ亭」だ。
宇和島の人に愛され続けている老舗宇和島市新町の「郷土料理 大衆割烹 ほづみ亭」は、元々は旅館を営んでいたが、3代目にあたる先代が約50年前に飲食店を始めたそうで、宇和海の新鮮な海の幸や郷土料理が食べられると人気だ。

宇和島鯛めしは、新鮮な鯛の刺身をタレや生卵と混ぜ合わせ、それをまるごと熱々のごはんにかける独特なスタイルの丼料理だ。価格は1600円(税込み)。

試食した曽我部愛麗アナウンサーは「ぷりぷり!鯛がしっかりかみ応えがあって、かむたびに旨みが広がってきます。タレも少し甘みがあって、卵と合わさってすごくまろやかです。おいしいです」と絶賛だった。

ほづみ亭一番のこだわりは、タレに使っている出汁(だし)だ。ほづみ亭4代目の石丸敏光さんは「鯛めしのタレに使ってる出汁は、あまりほかの店が使っていない出汁を使ってますね。かつお節ではなく、また違うお魚の出汁でやっております。110年前からうちはこの出汁で、お吸い物など全てのお料理に使っております」と語る。

タレをご飯にかけるときは、黄身を少し残すくらいに5~6回混ぜることがおいしさのポイントだそうだ。
千葉からの旅行客は「タレの味が甘じょっぱくて、卵と合わさって鯛もおいしくて、めっちゃうまかったです」と絶賛する。お遍路で神奈川県から来た男性も「初めて食べたんですけど、全然想像してたのと違っておいしかったです」と好評だ。

石丸さんは「宇和島の歴史を思いながら、鯛の身の新鮮さを感じながら食べていただいたらうれしいですね」と語る。
宇和島に来たら「宇和島鯛めし」ぜひご賞味あれ。
新居浜のソウルフード、ざんきの元祖
続いては愛媛の誇る工業都市、新居浜市で調査。早速、市役所前で聞き込みを開始すると、「『驢馬』のざんきですかね」「一つ一つが大きいのと、味がすごくおいしいです」「昔からある新居浜のソウルフード」「外カリカリ中ジューシー」と絶賛の声が聞かれた。

地元の人々が口をそろえて推すのが、ご当地グルメ『新居浜ざんき』の元祖といわれる『驢馬(ろば)』のざんきだ。

新居浜市宮原町の驢馬本店で秦和男代表に話を聞くと、おすすめは鶏もも肉のざんき(1人前3個、450円 税込み)だそうだ。
佐野快成アナウンサーが早速試食。「大きいですね。いただきます。柔らかい!かんだ瞬間、サクッとした感じで、そのまま肉もかめる柔らかさがあります」と、こちらも好評だ。

秦和男代表は「県外とかに出て行った人が『この味は他にないんよ。だから帰ってきたときに食べたいんよ』と言っていただけることは多い」と語る。
新居浜市のホームページによると、ざんきは「50年ほど前、創業者が東京の料亭で修行中に北海道出身の同僚に教えてもらったのが始まり」だそうだ。
創業者の息子が後を継ぎ、驢馬の人気メニューになっていたが、店主が体を壊し閉店。しかし、市民から復活を望む声が高まり、当時秦さんが店長をしていたスーパーでその味を引き継いだ。

秦和男代表は、「2代目の方が『もう一回から揚げだけ復活さそうや』と言って声をかけていただいたのが、私がいたお店だったんです」と当時を振り返る。
新鮮な肉や油にこだわり、「利益に走ったらダメ」という創業家からの教えを忠実に守って、今も市民から愛されている。
新居浜の新たな名物、濃厚魚介ラーメン
最後に紹介するのは、比較的新しい新居浜の名物だ。ある男性が「魚介系のラーメン。僕が行くときは大体列ができとるんで人気だと思います」と教えてくれた。

新居浜市久保田町の「濃厚魚介らぅ麺 純」は、2008年オープンの地元の人気店だ。

一番人気の豚骨魚介つけ麺(並盛200g 900円 税込み)をいただいた佐野快成アナウンサー。
「おいしいです。魚介と豚骨の味がしっかりしますね。さっぱりしているのでこの暑い時期でも食べやすい」と感想を述べた。

人気のトッピングのメンマ。その作り方には驚くべきこだわりがある。店主の永井純二さんは「提供するのに5日くらいかかるんですよ。4日間塩抜きして、塩抜きしたやつを味入れして、一晩寝かせてから出すので」と説明する。
佐野アナは「かみ応えがありますね。しっかり味もついていて、豚骨と魚介のスープにマッチングがいい」と絶賛した。

永井さんは、「一年の中でも8月が一番売り上げが多いです。高校生だった人とかが就職・上京して、お盆とかに帰省して食べに来てくれる人が多い」と、お盆ならではの光景も教えてくれた。
懐かしい味を求めて、家族や友人と一緒に地元グルメを楽しんでみてはいかがだろうか。
(テレビ愛媛)