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 株式会社アイシンは、クルマの「走る・止まる・曲がる・快適」を支えるグローバルサプライヤーです。グループで手掛ける製品群は多岐にわたり、なかでもオートマチックトランスミッション(以下、AT)は、世界シェアNo.1を誇ります。2024年4月、アイシンのAT※の生産累計台数が、ついに2億台に到達!今回は世界のお客様に長年支持され続けている当社のATの歴史を振り返ると共に、当時の製造・技術・生産技術を支えてきた3名のエピソードをご紹介します。

※CVT・HEV・eAxle含む


アイシンのATの源流と2億台達成までのあゆみ

 1961年、アイシンの前身である愛知工業が国産初のAT「トヨグライド(FR2速AT)」の受託生産を開始。その後1971年に合弁会社として設立したアイシン・ワーナー(後のアイシン・エィ・ダブリュ(以下、AW))で、初めて自社開発をした「03-55(FR3速AT)」を量産化してから、実に56年をかけて、ATの生産累計台数が2億台に到達しました。

トヨグライド

 生産累計台数100万台には7年、1000万台には19年、1億台には43年かかりましたが、2億台には1億台から11年足らずで達成。これまで採用された顧客は80社、搭載された車両は942種(トヨタ向け:578車種、トヨタ以外:364車種)にのぼります。


 先人たちから脈々と受け継いできた「品質至上」を胸に、お客様の期待に応えながら、FF化・電子制御化・多段化といった製品を開発。同時に、生産技術の革新、製造現場の絶え間ない改善、サプライヤーの皆様にも協力いただいた結果が、この快挙に結びつきました。




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代表製品 AW初のFF用4速AT「AW‐Z」

AW-Zカットモデル

 1980年代前半、トヨタがFF化を進めるなか、要求されたFF用ATの全長は390mm以下。当時AWが開発していたATは517mm。全長短縮しながら多段化する前代未聞の開発製品。この技術が評価されて飛躍的な量産増に繋がりました。


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当時のことを製造で携わった高見に聞いてみました。

「AW-Z」の増産対応で培った製造の力

製造メンバーへ受け継ぐ「原理原則に基づき、自ら考え、行動・改善できる人」のマインド~

グループ生産本部 執行幹部 高見 龍二 さん


―高見さんにとって思い深い製品であるAW-Z。その当時の製造エピソードは?


高見

 当時、Zの需要はすさまじかったため、Zと混合で生産していた製品の独立ラインを立ち上げることになり、私が当時所属していた工場技術がメインで活動することになりました。

 とにかく時間がなかったので、構想から設備製作、工程整備をすべて自分たちでやるしかない状況に。技能員の要望を盛り込みながら、私が手書きで設備図面を書いて、その隣で改善係が設備を製作するような体制。もちろん安全と品質はしっかり確認していました。

 また出来高を上げるために、当時は肩にかつぐような大きなビデオカメラで設備の動きを撮影。スロー再生して「この動きムダだな。1つの動きに出来そう」など、メンバーと一緒に観察していました。あのときの体力と集中力はすごかった・・・(笑)。

 それまではラインの一部だけの改善を担当していたのですが、ゼロから立ち上げに取り組んだことで、各設備の特色・作りこむ品質特性、それらを維持・管理する項目などを深く学べました。


 私はこれから、製造に関わる全てのメンバーを変えていきたいと思っています。それは「言われたことを愚直に実施する人」から、「原理原則に基づき、自ら考え、行動・改善できる人」を1人でも多く増やすこと。

 今後の変化に対応できる強い工場と、その変化にも負けない人づくりに本気で取り組んでいきます。




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代表製品 欧州メーカーとの初取引をするきっかけとなった「R21とF21」

R21カットモデル

 FR6速ATの「TR-60SN(以下、R21)」と、FF6速ATの「TF-60SN(以下、F21)」は、AWにとって初めてフォルクスワーゲン(以下、VW)へ納入した製品。またF21、R21の「21」とは、21世紀にふさわしい6速ATを開発するという視点で付けられました。


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当時のことを開発で携わった魚住に聞いてみました。

「R21とF21」の開発で培ったコミュニケーションの大切さ

~顧客の期待を知り、それを上回る提案で信頼獲得、今に続く信頼関係~ 

パワートレイン製品本部 執行幹部  魚住 信悟 さん


―魚住さんにとって思い深い製品であるR21とF21。その当時の開発エピソードは?


魚住

 本格的にVWと関係が深まったのは1997年。当時のVW会長フェルディナント・ピエヒ氏が、AWのFR5速AT「35-50LS」を搭載したトヨタのセルシオに乗車し、そのフィーリングの良さに着目したことから、すべてが始まりました。そして2002年、“世界初の6速にしたい”との要請に答えて開発したR21はVW「トゥアレグ」、ポルシェ「カイエン」、アウディ「Q7」に、F21はアウディ「TT」、VW「New Beetle」に搭載され、その後8速化含め性能向上や機種拡大などシリーズ化が進み、現在も生産されています。


 開発が始まったその当時、最初のうちはお客様とうまくコミュニケーションできませんでした。これまでの関係性がないということもありますが、「こちらの意見を主張しなかった」ことが原因でした。その後「言うべきことをはっきり主張する」ようになってから、ようやく議論ができたような感覚が。そのほかにも大切にしていたのは雑談。会議以外のテストトリップやオフタイムでのコミュニケーションを大切にしたことで関係性が深まり、今でも良い関係が続いています。また、お客様の要求に応えるのはもちろんですが、期待以上のスピードや提案でさらに顧客の信頼を勝ち取り、今につながってきたのだと思います。




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代表製品 FR用多段ATのスタンダード「B-500とB-600」

B-500カットモデル

 90年代後半、トヨタから「ランドクルーザーに搭載するFR5速ATが欲しい」との打診があり、4速並みの軽量かつコンパクトなギヤトレインを持つ5速を新開発することに。さらに、開発終盤、セルシオ向けの6速の開発を打診されたことにより、「5速と6速の部品を共通化し、2機種同時開発を進める」と社内決定し、生まれた製品。その後も多様なラインアップを揃え、現在も後継機種が生産されています。


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当時のことを生産技術で携わった前田に聞いてみました。

「B-500とB-600」の開発で培った生産技術力

~開発・製造・生産技術の連携で、さらに魅力ある商品を生み出す~

グループ生産技術本部 執行幹部  前田 秀 さん


―前田さんにとって思い深い製品であるR21とF21。その当時の生産技術エピソードは?


前田

 今では、当たりのように開発・製造・生技のメンバーが、タイムリーな情報共有や困りごとの共有をしていますが、私が入社したころはその文化はありませんでした。当時の私は、何より「製造に気持ちよく生産してもらいたい!そして自分が居なくなっても、後輩たちに苦労させたくない」という想いがありました。ですから、このプロジェクトを任せられたときから「開発・製造・生技が、同じ方向を向いて活動する」という想いで、設計や試作、製造との打ち合わせを何度も繰り返し実施しました。


 今後は、設計の自由度を上げる技術開発の強化を推進していきます。これまでは、“生技が出来るやり方に合わせた設計”になっていたのですが、これからは生技の「つくり」の技術をあげることで、設計の選択肢も広がり、それが競争力強化につながるはず。現在ATの利益率が高いのは、ダントツの耐久性・静粛性・軽量・小型化へのこだわりなど、他メーカーでは決して作れないものだから。高い技術力を持っていることを誇りにBEV新商材にも取り組んでいきます。



アイシンの技術力・ものづくり力で、次の「道」をつくる

 昨今、電動化をはじめとした成長領域に注目が集まっていますが、アイシンがこれまで大切にしてきた「品質至上」「お客様目線」を大前提に、これまで培ってきた「技術力」「ものづくり力」を継承し、今後の競争力の源泉としながら、アイシンはフルモデルチェンジをし、「次の道」につなげていきます。

 時代が変わってもアイシンのめざす姿は不変。経営理念である、「“移動”に感動を、未来に笑顔を。」を実現するために、これからも魅力的な製品を生み出し・提供することで、笑顔あふれる社会づくりに貢献していきます。






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