南シナ海の領有権争いをめぐり、フィリピンの国家安全保障補佐官は、中国大使館の職員が偽の情報を拡散したとして職員を国外追放する方針を発表した。
南シナ海のアユンギン礁では、軍事拠点への補給活動に向かうフィリピンの船に対し、中国の船が放水などの妨害を繰り返し、負傷者が出るなど対立が深まっている。
こうした中、フィリピンのアニョ国家安全保障補佐官は10日、声明を発表し、軍の高官と中国の外交官との通話録音を基に偽情報を拡散したとして、首都マニラにある中国大使館の職員を国外追放する方針を明らかにした。
補佐官は「通話の無断録音は国内法に違反している」と指摘したうえで、「偽情報は国民の分裂をもたらすもので厳罰なしに許されるべきではない」と強調している。
これに対し中国外務省の報道官は10日、フィリピン側に対し挑発的な態度をやめ、職員が通常通りの職務を行えるよう求めた。
