射水市の新湊漁業協同組合で、不漁が続き漁場の回復を待つため操業を見合わせていたシロエビ漁が10日朝再開されました。
しかし、獲れたのは例年の1割程度にとどまり漁業関係者は困惑顔です。

シロエビ漁は先月1日から解禁となりましたが、不漁のため先月20日から操業を見合わせ、10日朝は21日ぶりの漁となりました。

新湊漁港からシロエビ漁の船4隻が出漁し沖合に向かいます。

*シロエビ漁 船主 野口和宏さん
「シロエビが戻ってきていればいいと思う。これだけ(漁を)休んだのは経験がない。年長者もこれだけ休んだことはないと言われる」

沖合3キロほどの漁場に到着すると、漁師たちが網を仕掛け、頃合いを見て一斉に網を引くと透き通った桜色のシロエビが揚がりました。

10日朝にとれたシロエビは4隻合わせて180キロと、操業を見合わせる前とほぼ同じ量の例年の1割程度にとどまり漁業関係者からは落胆の声が聞かれました。

*シロエビ漁 船主 野口和宏さん
「(シロエビが)まだいない。魚群探知機を見て反応を見ているが映らない。魚群の反応ときょうの漁の結果をみると、まだ状況はよくないのではないか」

富山湾のシロエビの漁獲量は、過去40年間余り毎年、500トンから700トンとなっています。
1980年後半に海水温の低下の影響で一時的に漁獲量が落ち込む年がありましたが、県水産研究所は今回の不漁には別の原因があると言います。

*県水産研究所海洋資源課 三箇真弘さん
「漁獲量の変動要因に水温が上げられる。ただ、近年の水温は比較的に高く推移していて、1980年後半のような低い水温はみられない」

その一方で、今年1月に起きた能登半島地震の影響でシロエビの生息環境が変化した可能性を指摘します。

*県水産研究所海洋資源課 三箇真弘さん
「海底地すべりにより、海底の底質が変わったことによりシロエビの生息環境が変化して、シロエビが別の場所に移動した可能性は考えられる」

シロエビの不漁は県内の飲食店にも深刻なダメージとなっています。
射水市のきっときと市場では、これまではストックを確保しシロエビ料理を提供してきましたが、ストックが切れる今月末ごろまでにシロエビが確保できないと、団体客に提供するメニューを変更せざるをえないと言います。

*新湊きっときと市場 島崎雅代営業部長
「新しい団体客については5月末ごろからシロエビを使った料理(の予約)を停止している。シロエビがとれて、例年のような金額になれば、今まで通りシロエビを楽しんでいただけると思う」

復活が待たれるシロエビ漁。
県水産研究所では来週と再来週に漁業調査船を使い海底の環境変化を調査し、不漁の原因を探ることにしています。

苦戦が続くシロエビ漁ですが、地震の影響がどこまであるのか、海底調査の結果が待たれます。

富山テレビ
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