「イット!」は、特殊詐欺とみられる音声データを独自に入手した。
そこには、耳を疑うような音声が残されていた。

特殊詐欺犯とみられる男「ナガサワ(仮名)! バーカ! バカだろう、テメェ。ナガサワ(仮名)! バーカ! 電話番号を漏えいしておくから」

20分ほどの音声データに残されていたのは、電話相手をののしる声。

さらに、詐欺へといざなう巧妙な手口が。
特殊詐欺犯とみられる男は、実在する会社名「NTTファイナンス」を名乗り、うその裁判で脅した。

「NTTファイナンス」を名乗る男「現在、民事裁判のお手続きが進んでしまってるみたいなんですね」

この電話がかかってきたのは、8日午後7時前のこと。
電話番号は「18」から始まる国際電話だった。

「NTTファイナンス」をかたる男は、架空の有料サービスの利用料金や遅延損害金として、総額29万6600円を要求してきた。

しかし、電話を受けた男性は、NTTファイナンスをかたる特殊詐欺のニュースなどを見たことがあったため警戒し、「詐欺ではないか」と指摘。
さらに電話の相手に対し、次のように話した。

電話を受けた男性「下っ端みたいな感じでかけ子やってる暇があるんだったら、もうちゃんと働きなさい」
「NTTファイナンス」を名乗る男「下っ端っていうのはないですけど」

すると逆ギレ状態となり、電話が一方的に切られた。

ところが、その後、電話がかかってきた。

特殊詐欺犯とみられる男「ナガサワ(仮名)! バーカ! バカだろう、テメェ。ナガサワ(仮名)! バーカ! 電話番号を漏えいしておくから」
電話を受けた男性「警察の方に届け出出されても知らないからな」
特殊詐欺犯とみられる男「大丈夫だよ、6年やってるからよ」
電話を受けた男性「6年やってるのか、6年間捕まってないねんな」

幸いなことに、今回は被害がなかった。

特殊詐欺の認知件数は3年連続で増加しており、中でも未払いの料金があると偽る「架空料金」の詐欺が最も多い手口となっている。

電話を受けた男性は「電話相手の信頼を得ようとしている部分は、なんとなく読みとれましたけど、シナリオっていうんですかね、向こうは向こうで練習しとんのかなっていうのはなんとなく思いましたけどね」と話し、警察にこの音声データの提供も検討しているという。