夜間や休日に急な病気やけがをしたとき、電話で相談できる「♯7119」。
7日から富山県内で運用が始まりました。
導入の背景には、逼迫する救急医療体制があります。

*リポート
「救急車を呼ぶべきかどうか。突発的な事態で判断ができないとき、「♯7119」、この電話相談窓口が助けになります」

7日から運用が始まった救急医療電話相談「♯7119」。

夜間や休日、専用のコールセンターに常駐する看護師が症状を聞き取り、救急搬送の必要性や応急手当の方法などをアドバイスします。
消防庁が全国で普及を進めていて、北陸3県では初となります。
導入の背景にあるのは…。

*富山市消防局警防課 周治忠雄主幹
「富山市の救急件数は年々増加傾向にある。コロナ禍でいったん件数は落ち着いたが、5類に移行してまた増加傾向に」

救急出動は全国的に増加傾向にあり、消防庁によりますと、救急車は一昨年の全国平均で、およそ4.4秒に1回の割合で出動、国民の20人にひとりが搬送されている状況です。

県内でも、救急出動は一昨年およそ5万件(49795件)と、過去10年で最も多くなっていますが、そのうち4割近くは入院の必要がない軽症でした。

出動件数の増加により、救急車の現場到着時間も延びる傾向があります。

こうした中、今回の導入で、救急搬送の必要性が低いケースでの出動が減り、医療機関の負担軽減といった効果が期待されています。

*富山市消防局警防課 周治忠雄主幹
「救急出動件数が少し落ち着いていけば、必要な方への救急車がいち早く現対応できる。♯7119を使うくらいの余裕があるときであれば利用していただいて。自分たちで病院に行けるかなどの判断材料にしていただければ」

そして導入の背景には、4月から始まった「医師の働き方改革」もあります。
勤務医の残業時間を規制するもので、医療の質・安全の確保にもつながりますが、一方で救急医療への影響も懸念されています。

必要な人に、必要な医療が届くためにも県は「♯7119」の活用を呼びかけています。
「♯7119」は平日は午後7時から翌日午前9時まで、土曜は午後1時から翌日午前9時、休日は24時間受け付けます。

富山テレビ
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