水俣病被害者団体との懇談の場での「マイクオフ」問題で8日、記者団の前に現れた伊藤信太郎環境相。

8日午後、険しい表情で鹿児島空港に降り立った人物。
目的は、謝罪のため。

水俣病被害者団体との懇談の場でのマイクオフ問題で8日、記者団の前に現れた伊藤信太郎環境相。

伊藤環境相「環境相として、このことをいかに大切に思っているかをお伝えしたいと...」

感情もあらわに、マイクの前で10分以上謝罪の弁を述べた。

問題となったのは、5月1日に行われた、伊藤環境相と水俣病被害者団体との懇談の席のひと幕。

この時、環境省側から各団体側に対し、発言時間は3分以内という要請があった。すると...

水俣病被害者団体・発言者「わたしはいつも、(亡くなった)家内と話していました」
職員「申し訳ございませんが、お話をまとめてください」

驚いた様子の発言者が言葉を続けようとすると...。

水俣病被害者団体・発言者「今の...今の...」
会場の人「切られたのスイッチが。(マイクの)スイッチが切られてる」

異変が起きたにもかかわらず、表情を変えない伊藤環境相。
職員らに確認を促すそぶりも見せない。

職員「事務局の不手際でございます。申し訳ございません」
出席者「話を聞きに来たんじゃないのか?」
伊藤環境相「...」
出席者「マイクを切ったことについてはどう思われますか?」
伊藤環境相「私はマイクを切ったこと認識しておりません」

こうした対応への批判が日増しに上がる中、8日、記者団の前に現れた伊藤環境相。

伊藤環境相「大変遺憾であり、発言されていた方に対して大変申し訳ない思いです。深くおわび申し上げたい」

マイクオフの対応を行った事務方の責任者を厳重注意したことを明らかに。

そして、伊藤環境相は「水俣病は、環境省が生まれた原点です。環境大臣として、いかにこのことを大切に思っているかお伝えしたい」と涙ながらに語った。

一方で、マイクが切られていたことは、「きのう事務方からの報告で初めて知った」とし、マイクオフでも大臣の耳には聞こえていたと説明した。

水俣病被害者団体の関係者の1人は、怒りをあらわにした。

水俣病被害者団体・関係者「(マイクが)完全に切られたのに大臣は承知していないとか、あんなことよく言えるなと。大臣として、あの人は失格です」

伊藤環境相はこのあと、マイクを切られた2人の発言者のもとを訪れ、謝罪する予定。