値上げの波は、身近なコーヒーにも押し寄せている。

さらなる値上げにつながる「新たな問題」も指摘されている。

7日、「イット!」が訪れたのは、東京・目黒区にあるコーヒー豆専門店「八雲珈琲店」。

ひき立てのコーヒー豆に、お湯を丁寧に注ぐと、店自慢の1杯が完成。

客「毎日飲んでます。(このお店の)1日1杯ないし2杯、とにかくコーヒーを飲んでいる瞬間は最高の瞬間というか、生きがいですね。生きててよかったと」

この店では、世界各国から取り寄せた約30種類のコーヒー豆を取りそろえている。

お客さんが、その場で選んだ生のコーヒー豆に熱を加え、茶色く色づくまで焙煎。

いい香りがしてくるのは、ここからしばらくたってからだそう。

しかし、このコーヒーも、ここ数年で一気に価格が高騰したという。

コーヒー豆を購入「一番安い400グラム入りのを買っていたけど、2割くらい上がったのかな。値上げは肌で感じています」

八雲珈琲店・宮澤恵治店長「この3年で一気に上がり始めた。10年分上がったと思ってもらうしかない。2年前までは1900円、ことし3000円になっちゃいました」

全体的に20%ほど値上がりし、中には2年間で1100円値上げした豆もあるという。

店は今後、さらなる値上げを検討しているという。

八雲珈琲店・宮澤恵治店長「5月も値上がりしています。今まで可能なかぎり、値上げしないように頑張っていたんですけど、そろそろ限界を感じているかなって感じですかね」

こうしたコーヒーの値上げは、身近なところでも相次いでいる。

セブン - イレブンが、レジ横で販売する「セブンカフェ」のコーヒーは、3月4日からレギュラーサイズのホットとアイスともに10円値上げし、120円にアップ。

スターバックスやタリーズといった大手チェーンも、相次いでコーヒーなどを値上げしている。

その要因は、コーヒー豆自体の高騰や円安の影響。

八雲珈琲店・宮澤恵治店長「今は完全に為替(円安)の影響だと思う。また1ランクぽんっと上がっています」

コーヒーの大原産国ブラジルなどを襲った異常気象による生産量の減少に、歴史的な円安が追い打ちをかけ、コーヒー豆の高騰が止まらなくなっている。

さらに、地球温暖化などの影響によって、2050年までに、コーヒー豆の栽培地が半減するとも指摘されている。

そうなれば、コーヒーを今のように気軽に飲むことはできなくなるかもしれない。

それについて、八雲珈琲店・宮澤恵治店長に聞くと「あと25年後ですよね。コーヒー業界そのものが今とは違う形になっているでしょうし、新しい生産エリアが作られたりして、なくなることはないと思いますけどね」と話した。