水10ドラマ「ブルーモーメント」で消防士役として出演している俳優の水上恒司さんが、高校時代を過ごした長崎の母校を訪れた。トークショーでは当時の思い出や、自身の経験を踏まえて夢を実現させるための思いを後輩たちに熱く語った。

部活の監督がかけてくれた言葉

800人を超える生徒の大歓声の中、登場したのは俳優の水上恒司さん。水上さんの母校でのトークショーは、創成館高校の奥田理事長が半年前に本人へオファーをして実現した。

学校をあげて大歓迎で本人を迎えた
学校をあげて大歓迎で本人を迎えた
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福岡県出身の水上さんはプロ野球選手を目指して小学生時代から野球に打ち込み、憧れの甲子園出場を実現させるために2015年4月、長崎県諫早市にある創成館高校に入学した。トークショーで水上さんはその理由を「中学時代に試合を観戦した時の全校応援に惚れ、ここで野球をしたいと思った」と語った。

トークショーで後輩に思い出話
トークショーで後輩に思い出話

高校時代は野球漬けの毎日だった水上さん。当時の経験が、トップスターの地位を確立した今につながっているという。水上さんは当時監督がかけてくれた一言を紹介した。それは「人生は正解がない。自分が選んだものを正解にしなさい」という言葉だ。何が正解かはわからない、この思いはこの先の進路を悩んでいる高校3年生にも響くのではないかと、後輩たちに投げかけた。

芝居のきっかけは高校時代

高校時代はそのルックスで3年間、学校を紹介するパンフレットにモデルとして登場した。

高校2年生の水上さん
高校2年生の水上さん

水上さんは野球部を引退した後、理事長の薦めで演劇部へ転身。そこで芝居にのめりこみ、大学入学を辞退して芸能界入りを決めた。水上さんは「その後押しをしてくれたのは当時の先生たちだった」と話した。

どれだけ志を持って生きているか

トークショーの終盤は在校生からの質問に水上さんが答えてくれた。「夢を叶えるためにはどうしたらいいか」という質問に、水上さんは「夢を叶えることと同じくらい、その過程も大事。プロ野球選手の夢は実現できなかったが、俳優になれた。野球を通して得た経験は今につながっている。失敗や挫折の経験を通して得られるものは大きい。悩んでいることも無駄にはならない。努力はすぐには結果につながらないので、我慢強さも大事」と話した。

「夢を叶えることと同じくらい、その過程も大事」と語る水上さん
「夢を叶えることと同じくらい、その過程も大事」と語る水上さん

「声優になりたい」という夢を持つ生徒は「安定性がない職業で不安に感じているが、水上さんは今の仕事に不安を感じることはないのか」と尋ねた。

水上さんはデビュー当時の芸名を改め、本名で仕事をするようになった経験から感じていることを話してくれた。「本名に戻した時にしばらく仕事がない時期もあったが、その時に感じたのは“どれだけ志を持って生きているか”だと思った。仕事がない時期を経験したことで、やりたいことを実現させる一方で、お金を稼がないと生きていけないことも知った。危機感を持ちつつ、常に“水上にこの役をやってもらいたい”と思ってもらえるような、強い志を持ってやりたいことを続けている」と話し、「頑張って夢を持ち続けてほしい」と後輩に熱く語った。

水上さんの思いを聞いた生徒は、「芸能界で活躍している水上さんでさえ不安に思っているのがわかって心強かった。夢の実現を目指して進みたい。先輩とはいえテレビで見る遠い存在だったのに質問に答えてもらえるなんて、勇気をもって質問してよかった」と声を弾ませた。

最後は、5月12日に25歳の誕生日を迎える水上さんへ、全員で「ハッピーバースデー」の歌をプレゼント。水上さんは照れ臭そうにお礼を告げていた。

大先輩の話に興奮気味だった生徒たち
大先輩の話に興奮気味だった生徒たち

奥田理事長は今回のトークショーについて「高校3年生の時に進路に悩み、あれだけ毎日理事長室で話し続けた生徒は、後にも先にも水上君しかいない。いま不安を持っているであろう3年生に“芸能人でさえもそうだったんだ”と思ってもらい、強い意志があれば夢を叶えることができることを感じてほしい」と話し、教え子の目覚ましい活躍に目を細めていた。

(テレビ長崎)

テレビ長崎
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