福岡県大牟田市にある病院で、複数の男性職員が女性患者など6人に対し下半身を触るなどの性的虐待を繰り返していたことが分かりました。

TNCが独自に入手した音声データから、驚くべき虐待の実態が見えてきました。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆国立病院機構・大牟田病院 川崎雅之院長
「私も院長として、この病院でこの案件が起こったことを非常に辛く思っておりますし、責任を感じております」

4月24日に大牟田市内の病院で開かれた説明会の音声です。

謝罪を繰り返す院長に対して、入院患者の家族らが怒りの声を上げます。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆入院患者の関係者
「虐待って言っているけど、刑事事件ですよ!犯罪なんですよ!」

◆川崎キャスター(大牟田病院前)
「今回、TNCの取材で問題が明らかになったのは旧国立の公的な医療機関です。この病院で、複数の男性介護士が入院患者に性的な虐待を繰り返していたことが分かりました」

大牟田市にある国立病院機構「大牟田病院」。

400以上の病床を備え、地域医療の中核を担う公的な医療機関です。

この病院で問題が発覚したのは去年12月のことでした。

1人の入院患者が、「男性介護士から下半身を触られた」と病院側に訴えたのです。

病院は「重大な問題」とみて院内で広く聞き取り調査を実施、その結果、明らかになったのはー。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆病院側の担当者
「被害にあわれた利用者は11名。関与した職員は5名。職種は介護職員3名、看護師2名で、すべて男性です」

病院内で発覚した職員から患者への虐待が疑われる行為。

病院によると、関与した職員は看護師と介護士あわせて男性5人で、入院していた男女11人が被害にあっていました。

11人はいずれも身体的な障害があり、中には全身の筋肉が徐々に弱っていく国指定の難病「筋ジストロフィー」の患者もいたということです。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆病院側の担当者
「就寝時に陰部を直接揉む行為を行った。女性利用者の胸付近を触る行為を行った」

体の自由がきかない患者の尊厳を踏みにじる許されない行為。

4月24日に病院側が開いた説明会では、患者の家族などが怒りを露わにしました。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆入院患者の関係者
「虐待って言っているけど、刑事事件ですよ!犯罪なんですよ!」

◆国立病院機構・大牟田病院 川崎雅之院長
「そこはそうなんですね…特に陰部を必要以上に触った点は、強制わいせつ相当と思わざるを得ない」

そして、説明会の参加者から虐待が起きた原因について問われるとー。

【説明会の音声データ(関係者提供)】
◆病院側の担当者
「個々の職員の虐待に関する認識は、様々な状況でしたので、何が虐待なのか…」

TNCの取材に対しては「職員の倫理観が欠如している」と弁明した病院側。

「障害者虐待防止法」では障害者福祉施設などでの虐待が疑われる場合、被害者が住民票を置く自治体が虐待の有無を判定することになっていて、今回、被害者11人のうち6人について自治体が「虐待を受けた」と正式に認定、残る5人についても調査が進められています。

病院によると、問題に関与した職員5人のうち2人は4月30日までに退職したということです。

病院はすでに第三者委員会を設置していて、今後、原因の究明を進めると共に再発防止策を検討するとしています。

テレビ西日本
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