民間の有識者などでつくる人口戦略会議は4月24日、将来的に消滅する可能性がある自治体を公表し、宮城県内では19の自治体が含まれました。こうした中、大衡村が東北地方で唯一、自立して持続可能な自治体となりました。

人口戦略会議 三村明夫議長
「人口問題に関する社会の機運を高め、職場や地域の意識改革を推進し、それを国民運動のレベルまで高めていくことが強く望まれる」

民間の有識者などでつくる人口戦略会議は、20代と30代の女性の数、若年女性人口の減少率を分析し、2050年までの30年間で、若年女性人口が半数以下になる自治体を消滅可能性自治体として公表しました。
それによりますと、県内では石巻市、気仙沼市、白石市、角田市など19の自治体が消滅する可能性があるとされました。
同じような調査は2014年にも行われ、これらの自治体は10年前に続き「消滅可能性」とされました。

一方、同じく10年前に「消滅可能性」とされた塩釜市、山元町、美里町は今回の分析では外れました。
そして、同じく「消滅可能性」とされた大衡村は、今回の分析では一転して、唯一の「自立持続可能性自治体」となりました。

大衡村 小川ひろみ村長
「やはり企業誘致により財源が確保できましたので、子育て支援、こちらが充実したことが1番の要因ではないかと思っている。もっともっと、町づくりに勢いをつけて、女性にもっと選ばれる街づくりをしてまいりたい」

一方、県内の各自治体も今、少子化対策に本腰を入れて取り組んでいます。10年前の調査に続き、消滅可能性自治体とされた丸森町。2015年からは18歳までの医療費の無償化。昨年度からは学校給食費の完全無償化。そして、今年度からは保育料を、これまでの第2子以降だけではなく第1子からに対象を拡大し、すべての子供に対する無償化を実現しました。

丸森町 保科郷雄町長
「やはり1番は若い方々に経済的な負担をかけることなく、この町でこの町の良さを知っていただきながら生活をしていただくというふうなことでありまして、この町でも生活できますよという環境作りをしたつもり」

丸森町の人口は4月1日時点で1万1780人。この10年でもおよそ3000人、2割ほど減少していますが、昨年度の出生者数は29人に留まり、3月末時点の65歳以上の高齢化率も44.68%となっています。
町は若者の定住に向けた住宅の建設や、教育の質の確保に向けた町営の学習塾なども開設させました。

丸森町 保科郷雄町長
「確かに財政を考えれば、裕福な町ではございません。しかし、これは将来的にこの街をいかにして維持していくかということを考えたときに、これは優先課題の第1位にとっていかなければならないと思っています」

保科町長は、少子化対策は全国的な課題とし、財政面の支援も含めて国の率先した取り組みも必要だと訴えます。

丸森町 保科郷雄町長
「各自治体でいろんなことを施策としてやってますけれども、国でするべきことというものは国がしっかりと把握をして、その後で自治体が何かを行うという体制作りの方が良いと思っています」

仙台放送
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