物価高の中、賃貸住宅の家賃も高騰している。

そうした中、夢を追って上京する若者の暮らしを支える“格安シェアハウス”が話題となっている。
Z世代の住まいに対しての思いを取材した。

シェアハウスに住む女性「気使わなきゃなってなったりするかもしれないけど、そういうのが本当にないような空間」

リビングルームに肩を寄せ合って集まる20代の若者たち。
彼らが住むのは東京・板橋区の築約15年の一軒家「トーキョーロッヂ中板橋」。

2024年1月に、29歳以下限定のシェアハウスとしてオープンした。

最大の特徴は1人、月2万9000円の家賃。
周辺のワンルームと比べて半額以下と格安。

シェアハウスに住む男性「やっぱり結構決めてではデカかったですね。家賃が安いのは」

部屋は、カーテンで仕切られただけの7畳の空間に2段ベッドが2つ。
4つの部屋に現在、男女あわせて11人の住人がいる。

かなり狭いように見えるが、これこそがこのシェアハウスの狙いでもあるという。

トーキョーロッヂを運営している土田貴臣さんは、「寝室のスペースを極限まで減らしたりとかして、なるべくリビングでみんな会話楽しんでほしいな」と話す。

1人暮らしをする若者たち同士が積極的にコミュニケーションをとることで、お互いを刺激し合う住まいとなっている。

愛知の大学を休学し、刺激を求めて上京したという女性は「同居人が結構みんな頑張ってる系の人たちが多くて、わたしも焦る環境にいた方が自分が伸びるなと思ったので決めました」と話す。

また、別の入居者の大学生は「平凡な人生しか送ってこなかったので、こういうとこに身を置いて、いろんな世界を知りたいなと思った」と話すなど、人との関わりを求めて、あえて狭いベッドルームのシェアハウスに若者たちが集まっている。

住人の佐藤朱莉さんは、同居人から刺激をもらいながら生活を続け、2024年に夢をかなえた。

佐藤さん「今回、海外の方のテーマパークで働くことが決まりました」

ディズニーランドでのダンサーを目指して上京した佐藤さんは、5月から香港のディズニーランドにダンサーとして採用された。

佐藤さん「周りの人が頑張ってるって思ったら、『まだまだいけるな』って思ったりもするので、相乗効果っていうんですかね」

このシェアハウスに住めるのは、1年間のみ。
その間に、夢をかなえる足がかりを作ってほしいとの思いがある。

トーキョーロッヂを運営している土田さん「上京をしたいとか環境を変えたいというときに、当たり前のようにトーキョーロッヂっていうものを選択肢の中の1個としてあるような世の中にできればと思っております」