中学校や高校の部活動の顧問を巡る問題です。「事実上の強制で負担が大きい」として組合を結成した教員たちが長野県教育委員会に、個々の意思を反映する制度を導入するよう求めました。

■「時間がなくなり、疲弊する教員も」

長野県庁を訪れたのは公立中学校と高校の教員。

「部活動の顧問が大きな負担になっている」と訴え、先日、組合を結成。

3月28日、県教委と懇談しました。

長野県の部活動を考える組合・青木哲也代表:
「自分の時間がなくなり、疲弊する教員もいる。苦しいところ」

■部活動の顧問を強制しないで

2月、結成された「長野県の部活動を考える組合」。

部活が「長時間労働の原因」となっていて、望まない顧問を強いることがないよう改善を求めています。

長野県の部活動を考える組合・青木哲也代表(2月の会見):
「(大会で)日曜日炎天下で審判やっている。授業を自習にして出張して駐車場係やっている。『おれ、何やっているんだろう』という思いをしている教員は多いと思う」

一方、県教委は「業務が過大にならないよう、学校ごとに理解を得ながら進めている」と、「強制」を否定しつつ、28日、組合から意見を聞く場を設けました。

■県教委「顧問は校長の職務命令の対象」

懇談は非公開。組合側は、顧問をするか、教員が希望できる制度の導入を要望しました。

これに対し、県教委は「顧問は、校長の職務命令の対象だ」として、否定的な考えを示したということです。

■組合「任命は押しつけ」

長野県の部活動を考える組合・青木哲也代表:
「ちょっと残念な回答、率直に。任命は押しつけ、パワハラにならないようにすると言っていますけど、そういう状況にありませんと。疲弊する教員や家族が救われていく状況になれば」

部活動に熱心な教員がいる一方で、過重労働だとの訴えもあるこの問題。

県教委は、部活動の指導を地域の経験者などに委ねる「地域移行」を2026年度をめどに完了させる方針で、教員の負担軽減を図るとしています。

長野放送
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