28日、小林製薬の紅麹(べにこうじ)問題をめぐる専門家らによる調査会が、厚生労働省で開かれた。

午後5時前、調査会に出席するため、小林製薬の関係者が厚労省に入った。

被害が拡大し続ける中で28日に開かれたのが、小林製薬の株主総会。

株主(60代)「株価も下がりましたけどね。そんな人の命に関わるなんて思ってもなかったので、すごくショックでした」

紅麹問題の波紋が広がる中、84人の株主が出席した。

株主「この原因どうやって調べるの? って、いつごろわかるの? っていうのが一番聞きたい」、「怒ってるよ、そりゃ。怒らないでどうすんのよ。迷惑かけてんだもん。だから管理責任ですよ、これは。遅いわな、何度も同じこと言うけど、遅すぎるわ」

株主総会では冒頭、小林章浩社長が今回の問題について謝罪した。

小林製薬・小林章浩社長「多大なるご迷惑をおかけしております。深くおわび申し上げます」

株主総会に先立ち、小林製薬は新たに、紅麹を原料とする機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取していた2人が死亡していたと発表した。
このサプリ摂取後に死亡した人は、あわせて4人となる。

株主総会が続く中、国会でも紅麹問題が取り上げられた。
問われたのは、岸田首相。

立憲民主党・辻元清美議員「やはりこれ安倍政権時代にですね、思い起こせば、健康食品ビジネスチャンスにとですね、アベノミクスの成長戦略の1つとして“届け出だけ”にした。これがですね、安全規制の行き過ぎた規制緩和って当時からも批判がありました。規制緩和の見直しを含めた再発防止、即座に着手すべきじゃないでしょうか」

岸田首相「原因をしっかり明らかにして、必要であるならば、あらゆる対応を検討しなければならない」

そして正午過ぎ、小林製薬の株主総会が終了。

出席した株主「泣いちゃったよ社長。泣いちゃった、泣いちゃった。だけど、泣くか? 男がな」

株主への説明中、小林社長は従業員への影響などについて話すうち、涙したという。

最後には、一部の株主から拍手が上がったというが、別の株主からは冷ややかな意見が聞かれた。

出席した株主「僕は冷めた目で見ていました。演技とまでは思わないけども、思慮が足りないゆえに言葉に詰まっているにすぎない」

こうした中、自主回収の動きはさらに広がっている。

愛媛・伊予市の篠崎ベーカリー。
小林製薬の紅麹原料を使って3月18日に製造した「ミニブレッド紅麹」と「食パン紅麹」2つの商品の回収を県に届け出た。

保健所によると、小林製薬が健康被害につながったとしている「想定していない成分」は含まれていないことが確認されたという。

28日午後、ファミリーマートも自主回収を発表するなど、FNNの集計では、問題発覚後、自主回収や販売中止を発表した企業は小林製薬を含めて60社に及んでいる。

一方、27日の関係省庁連絡会議では、小林製薬の紅麹を原料とする製品を扱う会社が170社以上あることが報告された。

自主回収などの対応を行ったのが60社に対して、取扱企業は3倍近い170社以上。

街には不安が広がっている。

街の人「よくわからないですけど、何にどういうふうに使われていたかわからないというのが一番怖い」、「ちゃんと公表すべきだと思う。『危ないもののリスト』が出ればいいのになと思う。全部が全部危なくないんでしょ?」

小林製薬によると、2023年に製造した紅麹原料は18.5トン。
そのうち、サプリ向けなどとして企業に販売した6.9トンの一部に、腎疾患などを起こす可能性がある「想定していない成分」が含まれているという。

午後2時、消費者庁の新井長官も小林製薬に対し、速やかに調査を進めて、供給先を公表するよう求めた。

消費者庁・新井ゆたか長官「消費者の不安を払拭(ふっしょく)するためには、小林製薬から供給された原料の入手先について、できるだけ調査をしていただいて公表していただけるよう、厚労省に働きかけているところです」

そして28日午後、厚生労働省は、専門家らによる調査会を開催。
170社以上の製品をめぐる対応などについて、意見を聞くとみられている。

影響の広がりが見通せない中、小林製薬は29日午後、問題発覚後、2度目となる記者会見を開く予定。