元力士による暴力問題で、閉鎖の危機に立たされる元横綱・白鵬の宮城野部屋。

日本相撲協会は28日午後に処遇を決定し、宮城野部屋を閉鎖するのではなく、宮城野親方と所属する約20人の力士らを、同じ一門の伊勢ヶ濱部屋に転籍することを決めた。

宮城野部屋の前から、広瀬修一ディレクターが最新情報を中継でお伝えする。

理事会の内容について、少しずつ詳細がわかってきた。

今回の処遇について、宮城野親方には27日の段階で通達があったという。

今回、宮城野親方自身の資質が問われていたわけだが、親方への教育は伊勢ヶ濱一門が責任を持って行うという。

宮城野部屋の力士たちは、5月の夏場所では伊勢ヶ濱部屋の力士として取組を行うために、現在の両部屋の力士同士の対戦はなくなるということになる。

そして、宮城野部屋の力士たちの引っ越しは3月中に行われるという。

── 全員が転籍という決定に近隣の人はどのように受け止めている?

住民の人からすると「急な引っ越し」となる。
現在「宮城野部屋」という看板も掲げられているが、こういった光景も見納めだということで写真に収める人もいた。

そして住民にとっては、「ここに部屋があるだけで活気づく」と、「朝稽古を終えた力士たちを見られるのも最後」だと悲しむ声が多い。

また元白鵬、宮城野親方を応援したいという声もあり、次の部屋に行っても「宮城野」の名前を背負っている限り、宮城野親方を応援し続けるんだというエールの声が地元からもたくさん聞かれた。

今回出された宮城野部屋の処遇について、国技館前にいる相撲ジャーナリストの横野レイコ氏に聞く。

── 今回の内容はどのように見ている?

今回は協会が下したというよりも、前回の理事会で、北青鵬の暴行問題によって宮城野親方の師匠としての資質が著しく欠けているということで、この問題については、部屋をどうするか伊勢ヶ濱一門に協会は託した形になった。

この1カ月、大阪場所中も伊勢ヶ濱一門の親方たちは連日のように話し合いを重ねてきた。
そして、その結果を28日の理事会で報告したという。

一時は師弟がバラバラという案もあったが、最終的には伊勢ヶ濱親方がすべてを引き受けるということで、伊勢ヶ濱部屋に転籍、そして宮城野親方の師匠としての教育については一門の理事である浅香山親方と伊勢ヶ濱親方が指導していく、これを場所ごとに報告していくという形になった。

これによって、例えば先場所優勝した尊富士関と、宮城野部屋だった伯桜鵬関の対決や照ノ富士関、伯桜鵬戦という好取組がなくなるということで、「ファンファースト」ではない結論になってしまう部分もあるという印象。

── 今後、宮城野部屋が再開する可能性はある?

場所ごとに伊勢ヶ濱一門が協会に報告することになっているため、夏場所後に伊勢ヶ濱一門の人が報告する内容によっては、もしかすると宮城野部屋を7月の名古屋場所から復活させてもいいというような結論になるかもしれないが、長引く可能性もある。

すべては宮城野親方の行いと、一門の親方である伊勢ヶ濱親方、浅香山親方の指導にかかっていることになる。

一気に20人が増えるということは、部屋にとっては寝るところなどいろんな問題があるが、伊勢ヶ濱部屋は角界でも一番の稽古をする部屋のため、宮城野部屋の力士たちにとってはマイナス面ばかりではないととらえて、前向きに頑張ってもらいたい。

フジテレビ
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