北陸新幹線の金沢駅から福井県の敦賀駅までの延伸区間が、3月16日に開業した。
この新幹線開業をきっかけに誕生した新しい駅「西松任駅」が新たな町を生み出した。新しくなった駅周辺を取材した。

新駅「西松任駅」の開業

石川・白山市北安田町。

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松任駅と加賀笠間駅の間に開業する新しい駅「西松任駅」をきっかけに、今この町では新しい住宅が建ったり大型の商業施設がオープンしている。

50年近く前(1978年)この地区周辺に千代野ニュータウンが誕生。人口が増加し、新駅の建設を求める声が上がった。その後、一度は立ち消えになったものの国の補助金を活用するなどして3年前、建設がスタートした。

3月3日、総事業費約16億円をかけた西松任駅が完成。
北陸新幹線が県内全線開業する3月16日、IRいしかわ鉄道の駅として運用が始まる。

「あゆみ野北安田南部」の街並み

新しい駅の誕生に合わせ新しい街づくりも進められてきた。
信作喜久雄さんと喜多孝次さんは土地区画整理組合の一員として街づくりを進めてきた。

「西松任駅がここまでかたちができていかがですか」との質問に信作喜久雄理事長は「念願の駅ができたということで我々も喜んでいます」とうれしそうに話した。

かつて一面の田んぼだったこの地域は、駐車場や商業施設が建ち並び、大きく様変わりし、新しい町へと変貌を遂げた。

新しい駅前に誕生した新たな町、「あゆみ野北安田南部」。
まずは、線路沿いを「歩く」ことができる散策ロードを歩いた。ここは「あゆみ野」という名称にも関係があるそうで。

喜多孝次事務局長:
歩くことによって自然豊かなところで人生を歩んでいけるという意味合いで「あゆみ野」とネーミングにしたわけです。楽しく健康的にね、健康が一番なので。

街づくりでのこだわりはほかにも、開花時期が異なる桜の木を植え、町外からの誘客も狙う。区画整理した土地には、すでに70軒ほどの家が建ち、将来的には200軒ほどに増える見込みだ。

魅力増加で土地価格も変動

新しい駅の建設は土地の価格にも影響を与えた。

喜多孝次事務局長:
最初坪単価18万くらいで売り出したんですけど、この前売り出した分は22万で売れました。

信作喜久雄理事長:
駅ができるということで区画整理が順調にここまできたと言えると思います。

さらに、この町の魅力を高めているのが、駅前の商業エリアだ。
スーパーや薬局、喫茶店やガソリンスタンドなど近くにあると便利な店が集まった。

信作喜久雄理事長:
コーヒーを飲んで一服して時間を合わせて電車に乗ろうかという方もいると思うので。

喜多孝次事務局長:
相乗効果で商店ももうかり住む方も利便性がよくなりそういう中で他地方からどんどんお越しになればいいなと思いますね。

一日当たり延べ1900人の利用を見込んでいる西松任駅。駅前の駐車場は無料で利用できる。

車で西松任駅に来て、電車で移動してもらうことで中心市街地の交通渋滞緩和や環境負荷の軽減を図る。

新駅きっかけは「トレインパーク白山」

トレインパーク白山
トレインパーク白山

さらに、西松任駅から約2km先には13日にオープンしたばかりの「トレインパーク白山」がある。実は新駅誕生の決め手となったのが「トレインパーク白山」の建設だった。

整備中の新幹線をみれるのは日本でもトレインパーク白山のみ
整備中の新幹線をみれるのは日本でもトレインパーク白山のみ

隣接する白山総合車両所で整備中の新幹線を眺めたり、シミュレーターで新幹線を運転したり、子どもから大人まで楽しめる施設となっている。

西松任駅を最寄り駅として新幹線がこの町にさらなる勢いをもたらしそうだ。町が完成に近づいている今、どのような町になることを望んでいるのか。

喜多孝次事務局長:
にぎわいのある町になればいいなという期待感を持っています。

信作喜久雄理事長:
駅ができることによって発展もしてほしいというのが我々の一番のおもいです。

(石川テレビ)

石川テレビ
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