地球温暖化を話し合うCOP25が開幕

地球温暖化対策を話し合う国連の会議COP25の閣僚級会合が、12月10日始まる。

石炭火力発電所の新設・増設を進める日本の姿勢に批判が強まるなか、開催国のスペインに到着した小泉進次郎環境相は丁寧な説明を行う姿勢を強調した。

小泉進次郎環境相:
厳しい批判に対しては、誠実に逃げることなく丁寧な説明をし、このCOPの場を最大限日本にとってプラスになるように活かしていきたい

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閣僚級会合の2日目に予定されている小泉大臣の演説で、温暖化対策の強化にどこまで踏み込めるかが注目されている。

「ステーキ食べたい」小泉環境相発言が批判されるワケ

そんな小泉大臣だが今年9月のこんな発言が海外で波紋を呼んだ…

小泉進次郎環境相:
ステーキ やっぱりステーキ食べたいですね。毎日でも食べたいね

実は美味しそうなこの牛肉をめぐっても、地球温暖化防止の観点からは環境に優しくないと批判の声がある。

そもそも家畜の飼育は温室効果ガスを増やす上、とくに牛は、鶏や豚に比べて、排出する温室効果ガスが多く、国連食糧農業機関のデータでは6倍以上だという。

その理由は、牛は食べたエサを胃の中の微生物の力で発酵させることで消化しやすくしていて、その際に発生する温室効果ガスの一つメタンガスを大量にゲップとして大気中に排出するからだ。

イギリスの名門大学では学食での牛肉料理提供を中止

こうしたことからイギリスの名門ケンブリッジ大学では、全ての学生食堂で3年前から牛肉と羊の肉を使った料理を提供することをやめたという。

ケンブリッジ大学・学生食堂責任者:
一番下に豚肉はあるが、冷蔵庫の中に羊肉や牛肉は一切入っていません

これは温暖化の防止に貢献しようとするもので、大学によると温室効果ガスの削減量は、1年間でおよそ500トンにのぼったという。

温室効果ガス500トンは、乗用車で地球を94周回る際の排出量に匹敵するという。

ケンブリッジ大学の環境問題担当者:
ここまでの削減になるとは思っておらず、ワクワクしました

一方、こうした大学の取り組みに対し、地元の畜産業者は猛反発している。

イギリスの牧場経営者:
人々は責任転嫁先を探しているのだと思う

牧場経営者によると、この牧場では加工したエサは使わず、全て牧場で栽培した草を牛に与えていて、車を使った牛の運搬も最小限にしているので温室効果ガスの排出は少ないはずだと主張している。

牧場経営者:
車や飛行機など利用する人間こそが汚染の原因なのではないか…

しかしながら学生食堂で牛肉を使ったメニューをやめる動きはイギリスのほかの大学にも広がりつつある。

牛肉と温暖化を巡る議論は今後も続きそうだ。

(Live News days 12月10日放送分より)

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