今度は参議院で、早ければ来週にも政治倫理審査会が開かれる方向となった。

また、安倍派の下村元文科大臣が、衆議院で再び政治倫理審査会が開かれるなら、「説明責任を果たしたい」と表明し、注目を集めている。

【動画】キーパーソン下村元文科大臣が「説明責任を果たす」 今度は参議院で政倫審

■野党は安倍派と二階派の議員32人に政倫審への出席を求める

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来年度の予算案が衆議院で通過しても、ほっとできない岸田総理大臣。今週からは参議院の予算委員会が始まり、休みなく、政治とカネを巡る野党の追及が続く。

午後から質疑に立ったのは、ことし1月に、共産党で初の女性党首となった田村智子委員長だ。

日本共産党 田村智子委員長:
私は総理の基本姿勢に大変問題があると思う。違法行為、犯罪があったと、事実解明を行うべきではないんですか

岸田文雄首相:
政治家である以上、刑事責任以外にも説明責任、政治責任、道義的責任がある。これは当然のことであると認識しています。党としても政治責任について、党として判断してまいります。

田村委員長は、キックバックの不記載が参議院選挙の年に増えていることを指摘。岸田総理に対して、裏金は選挙の買収に使われたのではとも迫った。 さらに…

日本共産党 田村智子委員長:
それで本当に事実解明できるのか、総理に厳しく問われています。野党が求めている政倫審、迅速に公開で行うようこの場からも要望します。

野党側は、収支報告書に不記載があった安倍派と二階派議員、32人に対して政治倫理審査会への出席を改めて求めた。

■参議院の政倫審には世耕前参院幹事長、衆議院の追加開催が決まれば下村元文科大臣が参加か

こうした中、5日午前、参議院の政治倫理審査会をめぐり、与野党の幹部が会談し、誰が審査に出席するかなどを決める協議を8日に開くことで合意した。参議院では「安倍派5人衆」のうちの1人、世耕前参院幹事長が出席する意向を示している。参議院の政倫審は早ければ3月14日にも開かれる見通しだ。

一方、衆議院でも、政倫審の追加開催が焦点となっています。 安倍派事務総長経験者の下村博文元文科大臣はSNSで、「今後、開催されるのであれば、党と相談して、説明責任を果たしたい」としている。

■すでに行われた政倫審では発言内容の食い違い、下村元文科大臣の発言にも注目

先週の政倫審で、出席者の発言に食い違いがあった。2022年8月に行われた安倍派幹部会合でキックバックの継続について話し合われた内容について、西村事務総長は「会合で結論は出なかった」と話したが、塩谷代理は「ことしに限って継続は仕方ないという結論に至った」と話した。

一方、この会合に出ていた下村元文科大臣は、ことし1月の会見で、「収支報告書で合法的な形で出す案もあった」と発言している。下村元文科大臣は政倫審へ出席する意向を表明しているが、どういったことがポイントとなるだろうか。

■「森元首相を守る」という忖度が働かない可能性も

関西テレビ 加藤報道デスク:
安倍氏が亡くなった後、会長不在が続いていましたが、派閥を誰に任せるのかという話し合いが行われた時、いわゆる5人衆と言われる人が中心で率いていくということになりました。この5人衆は森元首相(派閥元会長)と非常に近い存在だったと言われています。
 一方で下村氏は森元総理と折り合いがよくなかった、とかねてから言われており、このとき派閥の中心メンバーには入りませんでした。安倍派の不記載は20年以上前から行われていたとも言われていて、野党は森元首相の話も聞かないといけないという論調になっています。5人衆は、キックバックの話について、森元首相の関与があったということを知っているかもしれないけれども、(森元首相を守るという意味でも)言わないということは考えられます。しかし、森元首相と距離がある下村氏には、その忖度が働かない可能性もあるので、どんな発言が出るのか注目です。

次の政倫審では、新たな事実が出てくるかもしれない。

(関西テレビ「newsランナー」2024年3月5日放送)

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