3連休中日の24日午後、東京のJR新宿駅前で歩行者がタクシーの下敷きになり死亡した。

Mr.サンデーは、新宿駅前を走るドライブレコーダーの映像を入手。そこには、事故が起きた直後の現場の様子が記録されていた。

上半身だけが車体の外に…

24日午後1時半すぎのJR新宿駅前をとらえたドライブレコーダー映像。

事故直後の現場。この時、男性が車の下敷きになっていた。
事故直後の現場。この時、男性が車の下敷きになっていた。
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穏やかに晴れた午後、多くの人が行き交う街中に現れたのは、横断歩道に止まったタクシー。警察がその下をのぞき込んでいる。この時、80代ぐらいの男性が車の下敷きになっていた。

事故直後の目撃者:
(男性の)上半身だけ(車体の)外に出てて。タイヤの辺り。警察の方が一番に来て、なんか引っ張っていた。

男性は病院に搬送され、その後死亡。タクシー運転手の益田蓮容疑者(23)が過失運転致傷の現行犯で逮捕された。

新宿駅東口前の横断歩道で事故は起きた
新宿駅東口前の横断歩道で事故は起きた

事故現場は、新宿駅東口のすぐ目の前にある横断歩道。目撃者によると、被害にあった男性は駅に向かって横断していたところ、一方通行の道路を走行していたタクシーと衝突。そのまま下敷きになったという。

被害男性は横断中に一方通行の道路を走るタクシーと衝突し、下敷きになった(取材に基づくCG)
被害男性は横断中に一方通行の道路を走るタクシーと衝突し、下敷きになった(取材に基づくCG)

――その人(被害男性)は、向こう(横断歩道の反対側)から来た?
事故の目撃者:
そうそう。向こうからこっちに。

――タクシーは?
事故の目撃者:
向こう(横断歩道の左側)から来た。こう曲がるとボンってはねた。3番目の(横断歩道の線の)ところ。(被害男性は)そのまま車の下に入った。

目撃者「タクシーは突っ込んだ」 専門家は“道路の構造”に着目

なぜ、事故は起きてしまったのか。

横断歩道のすぐ前で、歩行者が途切れるのを待つ車も確認できた
横断歩道のすぐ前で、歩行者が途切れるのを待つ車も確認できた

同じ土曜日の午後に撮影した横断歩道の様子を見ると、周囲には多くのお店などが立ち並び、道を横断する人が途切れることがほとんどない。横断歩道に信号はなく、一時停止して待っていた車は、わずかな隙間を見計らって前進。歩行者との距離は近いように見える。

日頃この道を使うトラック運転手は、人通りが多く、危ないと感じると話す。

日頃この道を使うトラック運転手は、人通りが多く、危険を感じていたという
日頃この道を使うトラック運転手は、人通りが多く、危険を感じていたという

事故直後の目撃者:
(人通りは)多いですよ、ここはね、いつも。こっちからは結構バーって行っちゃう人がいるんですよ。だからね、危ないなとはいつも思う。

普段から感じていたという危険。ところが、事故の目撃者によると、タクシーは信号がない横断歩道にも関わらず止まらなかったという。

事故の目撃者:
タクシーは止まるだろう、普通は。

目撃者によると、タクシーはブレーキをかけている様子もなかったという
目撃者によると、タクシーはブレーキをかけている様子もなかったという

――止まらずに来たんですか?
事故の目撃者:
突っ込んだよ。それなりのスピード。どっちにしたって止まらなきゃ駄目だよ、あそこは。

――ブレーキをかけている様子は?
事故の目撃者:
ないない。

交通事故鑑定人の中島博史氏は、現場付近のドライブレコーダー映像を見て、ある可能性を指摘する。

交通事故鑑定人の中島氏は「運転手としてはあまり長くいたくないような構造」だと説明
交通事故鑑定人の中島氏は「運転手としてはあまり長くいたくないような構造」だと説明

交通事故鑑定人 中島博史氏:
横断歩道の先のところというのが、ちょっと複雑な構造をしています。南の方に進むのであれば、いったん右に曲がって左折し直すというような、運転手としてはあまり長くいたくないような構造ではあります。

中島氏「負荷が高い状況というのは、できる限り早く抜けたいというような心理が働きがち」
中島氏「負荷が高い状況というのは、できる限り早く抜けたいというような心理が働きがち」

交通事故鑑定人 中島博史氏:
負荷が高い状況というのは、できる限り早く抜けたいというような心理が働きがちです。ですので、アクセルを踏んだところで人に気づいたといいますか、可能性もあると思います。
(「Mr.サンデー」2月25日放送より)

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