3連休最終日の25日、奈良市・東大寺の参道で車が暴走し、観光客2人がはねられ、1人が死亡した。目撃者によると、事故の直前、車にはある不可解な動きがみられたという。

「すごい衝突音。ボンネットの上に人が…」

奈良の大仏で知られる日本有数の観光地、東大寺。3連休最終日の25日午前9時50分ごろ、観光客が行き交う参道で79歳の男が運転する車が暴走し、男性2人をはね、近くの石垣に突っ込む事故が発生した。

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事故の目撃者A:
すごい衝突音がドーンってきて。私が見た時点では、もうボンネットの上に人が乗っかってました。急スピードで走っていって。

事故の目撃者B:
バンという音がして、鹿がバーッと走っていった。

事故を起こした乗用車は、前方部分が原形をとどめないほど大破し、フロントガラスには全面にひびが広がっていた。事故の衝撃の大きさがうかがえる。

この事故で、観光に訪れていた台湾出身の62歳の男性が病院に搬送後、脳挫傷により死亡。車にひかれたもう1人の男性も腰の骨を折る重傷を負ったという。

警察は、車を運転していた男(79)を過失運転致傷の現行犯で逮捕した。

「エンジンふかして…」事故直前の“不可解な動き”

男は、現場付近にある土産物店の店主。事故の前は、荷物の搬入をしようとしていたというが、参道を車で通行できる許可証は持っていなかったという。

番組ディレクター:
男に持病などはなかったのでしょうか?

事故の目撃者C:
何もないと思うけど。病気とかも分からない。元気にしていたと思う。

しかし目撃者によると、事故直前、男の車には不可解な動きがみられたという。

事故の目撃者C:
エンジンの音は(ふかして)高かったなと思う。そこからずーっと来て、ビュー、ドン、ドンッて当たった。うちの傘立てが、ボーンって向こうに飛んでいった。向こうに舵切って、向こう(反対側)にドーンって当たった。

事故の目撃者A:
ボンネットの上に人が乗っかってました。隣の店のところでボンネットに乗っている方があの辺に落ちたんです。落ちた後に、向こうの赤い傘のところまで走っていたんです、車が。

車は一度、土産店に向かって暴走、傘立てに当たった後、反対方向の石垣に衝突したという。さらに、交通事故鑑定人の中島博史氏が注目したのは、フロントガラスのひび。

交通事故鑑定人の中島氏は「フロントガラスのひび」に注目
交通事故鑑定人の中島氏は「フロントガラスのひび」に注目

交通事故鑑定人 中島博史氏:
クモの巣状痕といいますけど、あまり鋭くないものが強くぶつかった時にできる。おそらくはここに跳ね上がって、頭部がフロントガラスにぶつかるような速度域だった。40km/hぐらいは出ていた可能性がある。

警察の調べに対し、男は「アクセルとブレーキを踏み間違えた」などと容疑を認めているという。警察は、危険運転致死の疑いも視野に捜査を進めている。
(「Mr.サンデー」2月25日放送より)

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