2017年は、トランプ大統領就任や北朝鮮のミサイル、天皇陛下退位の決定や眞子さま婚約、働き方改革や小池旋風、衆議院議員選挙など様々なことがあった。

2018年は一体どんな一年になるのか。

今回は、フジテレビ政治担当の解説陣による座談会、第2回目。

2017年は政府与党にとってどんな年だったのだろうか?

 
 
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小池旋風に官邸は焦っていた

平井文夫:
森友・加計問題と小池問題で、“安倍政権危うし”という感じでしたよね。
しかし、日本も欧米のようにポピュリズムでひっくり返っちゃうかもと思ったけども、日本はやっぱり豊かな国なんだ、ひっくり返りませんでしたね。そんな1年でした。

反町理:
一瞬、官邸は焦りましたから。
小池都知事が『希望の党』を立ち上げた時の最大瞬間風速は官邸を揺さぶりました。そのあと色々希望の党の瓦解が始まったところで「ほら見たことか、だから俺らは小池はダメだって言ってたんだよ」っていう風に終わりましたが、官邸の温度が急速に変わった瞬間はあったと思いますよ。
だから小池さんが都知事の職務を投げ打って勝負をかけていたら、もっと大きな変化は起きたんじゃないかな、そういう気はしますね。

平井:
9月25日に小池さんが立ち上げた時点ではまだ大きくなかったけど、26日に前原さんと民進党の合流で合意した時に、瞬間的に政権交代が起きていたんですよ。ただその2日後に小池さんは『排除発言』をしたので、3日天下だったんですよ。
26日~28日の3日間だけ、小池さんは天下を取っていましたね。

小林泰一郎:
結局、やはり政治とか政党っていうのは、日頃の活動や動きが必要で、確かにその時その時の空気や風みたいなもので、世論が一気に動くことってありますよね。
でも、結局それはそんなに長くは続かない。だから、あまり主流の動きというか政治本来のところはあまり動かなくて、相撲で言うと“蹴手繰り(けたぐり)”のようなものもあったんだけど、やっぱりそれではね。

平井:
もし小池さんが排除発言をしなかったら、政権交代したかもしれませんよ。“小池百合子首相”とか“山口那津男首相”とかに。

結局安倍首相の代わりがいない?

 
 

小林:
ただまともにやって行くと、もしそのまま行ったとして党首討論とかしていくじゃないですか。そうすると結局あなたたちって何をするんですか、どういうビジョンで、次はどういう国を作っていくんですかっていう話をした時に、絶対破綻していくから。

平井:
でもトランプみたいな人が大統領になってるじゃないですか。

小林:
それはそうなんだけど、トランプ大統領が誕生したのも、それなりの背景がちゃんとあるわけですよ。一方で、小池さん率いる希望の党ができて「やっぱり小池さんが総理大臣になる確たる理由があったんだね」っていうことにはならないですもんね。やっぱりどう考えても。

反町:
冷静な根拠はないですよね。

平井:
でもやはり、安倍政権に対する憎しみというか、「許さん!」というのはすごかったじゃないですか。それは安倍さんは怖かったと思うな。

小林:
憎しみっていうより、疲れというか飽きはきていますよ。それは総選挙が終わって、戻ってきてはいるけど、やはり安倍政権自体に対する積極的な支持っていうのはかなり落ちてはいると思いますよ。

ただ変わるところがないというのは相変わらずだから。変わるものができれば変わってくると思うけど。今回は結局、変わり得るものがなかったってことだと思いますよ。

 
 

2017年のピープルオフザイヤーは?

岡野俊輔:
2017年何があったか書き出してみました。
その中では3つ。1月から12月にかけて出てくるのは小池さん。それからトランプ大統領、それから北朝鮮。

その3つが2017年の1年間続いていて、1月23日の都民ファーストの会から、衆議院が終わって小池さんが希望の党をほっぽり出すまで。都民ファーストの代表になってほっぽり出して、希望の党の代表になってほっぽり出したりっていうのがずっと1年続いてあったなっていうのが1つ。

それから2017年1月はトランプが就任して、直後に電話首脳会談をしたところから始まって11月5日のトランプ来日まで。トランプ・安倍っていうのが1つあるなと。
そしてそれの絡みもあるんだけど、北朝鮮が3月、5月、7月に2回、8月、9月、11月とミサイルを発射したり、核実験したりっていうのが、2017年をまとめるた3つだったなって。

平井:
ピープル・オブ・ザ・イヤーだ、小池・トランプ・金正恩。でも安倍さんは入っていないですね(笑)。

岡野:
そんな感じですね。そうすると日本としては面白くないんだけど(笑)。

先の話になると、2014年から特定秘密保護法をやって、安保法制やって、2017年はテロ等準備罪をやって。要するにアメリカと一緒に戦争ができる国にだんだんなってきたという風になっていて、2018年は朝鮮半島で何かあるかもしれないというのがトランプ北朝鮮絡みですね。
小池さんに関しては、1月あたりには豊洲問題がどうしたとか、3月4月くらいには石原(慎太郎)元東京都知事を証人喚問するとか浜渦(武生)元東京都副知事を起訴するとか言っていたのに、豊洲問題ってどこ行っちゃったんだろうねっていう話があって、2018年はオリンピックとかはどうなるのかな、みたいなことを思いました。

 
 

イラスト=さいとうひさし

政治部
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総理大臣、官房長官の動向をフォローする官邸クラブ。平河クラブは自民党、公明党を、野党クラブは、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会など野党勢を取材。内閣府担当は、少子化問題から、宇宙、化学問題まで、多岐に渡る分野を、細かくフォローする。外務省クラブは、日々刻々と変化する、外交問題を取材、人事院も取材対象となっている。政界から財界、官界まで、政治部の取材分野は広いと言えます。