生後4カ月の男児が保育施設で意識不明の状態で見つかり、その後死亡した。

両親は悲痛な思いを明かし、園長は謝罪。両親は保育施設に対し「うつぶせ寝をやめてほしい」と要望していたが、うつぶせ状態で発見されたという。

園長が外出から戻ると「顔色悪くないですか」

あどけない笑顔で写真に収まる男の子。

生後4カ月で死亡した真渚己ちゃん
生後4カ月で死亡した真渚己ちゃん
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預け先の保育施設で意識不明の状態で見つかり、その後死亡した真渚己(まさき)ちゃん。2023年7月に誕生し、生後4カ月だった。

うつぶせの状態で発見されたという真渚己ちゃん。2月7日午後4時過ぎ、両親らが会見し、悲痛な思いを明かした。

「これからどんな子に育つのかと、明るい未来しか想像しておりませんでした」
「これからどんな子に育つのかと、明るい未来しか想像しておりませんでした」

真渚己ちゃんの母親:
真渚己は亡くなった今もなお、私たちにとって大切でかけがえのない、いとおしくてたまらない存在です。これからどんな子に育つのかと、明るい未来しか想像しておりませんでした。

事故が起きた認可外保育施設
事故が起きた認可外保育施設

事故が起きたのは、2023年12月13日。東京・世田谷区にある認可外保育施設「託児ルーム バンビーノ」。

保育施設の園長が7日午後3時ごろ、取材に応じ謝罪した。

「信頼してお預けいただいたのに、このようなことになってしまって、本当におわびの言葉もありません」
「信頼してお預けいただいたのに、このようなことになってしまって、本当におわびの言葉もありません」

託児ルーム バンビーノ 野崎悦生園長:
信頼してお預けいただいたのに、このようなことになってしまって、本当におわびの言葉も、申し上げる言葉もありません。責任は全部私にあります。

園長によると、当時施設にいた乳幼児は、真渚己ちゃんを含めた0歳児から2歳児までの9人。見守っていたのは、保育士資格を持つ園長と2人の臨時職員だった。

園長は午後2時50分ごろ、別の仕事で外出。残った職員が真渚己ちゃんを布団に寝かせたという。

真渚己ちゃんを寝かせた時の状況を説明する園長
真渚己ちゃんを寝かせた時の状況を説明する園長

その時の真渚己ちゃんの姿勢について、園長は「多分、うつぶせだったと思います。(職員は)他の子が泣き出したので、ちょっと置いて、そっちの子を泣きやましたら、また起こそうと思って置いたので。どういう置き方をしたかは、(はっきりとは)覚えてないということです」と説明した。

外出から約25分後に戻ってきた園長に対し、臨時職員からこう声をかけられたという。

「すぐ駆け寄って抱き上げて119番をかけたが…」
「すぐ駆け寄って抱き上げて119番をかけたが…」

託児ルーム バンビーノ 野崎悦生園長:
「真渚己ちゃんの顔色悪くないですか?」と声をかけられて。その時にまずいと思ったんですけど、すぐ駆け寄って抱き上げて。泣き声もなく、ぐったりしている様子だったので、119番かけて…。

遺族によると、真渚己ちゃんが発見された際、うつぶせ状態だったという。

厚労省は1歳になるまでは「あおむけ寝」を勧めている
厚労省は1歳になるまでは「あおむけ寝」を勧めている

厚生労働省は、寝返りができない乳幼児のうつぶせ寝は、乳幼児突然死症候群や窒息死のリスクを高める恐れがあるとして、あおむけ寝を勧めている。

しかし、園長は記者の問いにこう答えた。

園長はうつぶせ寝を容認していた
園長はうつぶせ寝を容認していた

── 職員に対しては、あおむけだと起きてしまう赤ちゃんには、うつぶせで寝かせてもいいと?

託児ルーム バンビーノ 野崎悦生園長:
そうですね。

── 園長先生としては、リスクがあるということは認識していたんですか?

託児ルーム バンビーノ 野崎悦生園長:
はい。1人泣かれちゃうと、他の子に伝染してやっぱり起きたり、つられて泣く子も多いし、大変だからですね。

両親は「うつぶせ寝をやめてほしい」と要望も…

真渚己ちゃんの両親は園長に対し、うつぶせ寝をやめるよう話していたという。

両親は「うつぶせ寝をやめてほしい」と要望していた
両親は「うつぶせ寝をやめてほしい」と要望していた

真渚己ちゃんの母親:
私が入園の申し込みに行った際、1歳に満たない他の園児たちがうつぶせで昼寝をしている状況があり、理由を尋ねると、園長からは「うつぶせだと寝つきがいい」との回答がありました。そこで私は、窒息の懸念があるため、1歳になるまでは常にあおむけで寝かせるように強く要望しました。園長はこの要望を承諾していました。入園時のこの要望は実際は守られていなかったということです。

わずか4カ月で失われた幼い命。

真渚己ちゃんの母親:
まだ始まったばかりのこれから長い人生を生きるはずだった真渚己の無念を思うと、悲しくて苦しくてたまりません。

警視庁は、業務上過失致死の疑いも視野に詳しく調べている。
(「イット!」2月7日放送より)

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