大分県宇佐市の国道にある「狭すぎる」右折レーンがインターネット上で話題に。一体どれほど狭い右折レーンなのか、なぜ設置されたのか…。設置された理由はこの交差点の歴史と利用状況にあった。

話題のきっかけはSNSの投稿

話題になったきっかけは旧Twitter・Xの去年11月の投稿。
「都心の道路でも太刀打ちできない大分県宇佐市の究極的に狭すぎる右折レーン」
この投稿がネットニュースで取り上げられ、話題に。
TOSの取材に対し、道路愛好家である投稿者は「ここまで狭いものは見たことがない」と話している。

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地元の人は「気にならない」

この右折レーンがあるのは宇佐市岩崎の国道10号岩崎交差点。
記者が実際に現地に行ってみると…

そこには話題の「狭すぎる」右折レーンが。
右折レーンの幅は1メートルにも満たず、車幅の半分ほど。
もちろん直進の車がいる場合は横に並ぶことができません。

毎日この交差点で右折するという地元の人からは、「ずっとあのままなので別に気にしたことはなかった」「右折する時に隣の車にぶつけられるんじゃないかという心配はあるが、そこまで気にならない」「岩崎もちょっとは有名になったなと思った(笑)」などと地元の人にとっては、おなじみの交差点でそこまで気にならないといった声が多く聞かれた。

当初は違った?地元の要望で変更か

一体なぜこのような右折レーンが設置されているのだろうか。この道路を管理する大分河川国道事務所に聞いてみた。

「もともとゼブラゾーン(導流帯)を設置していて、(この右折レーンは)正規の幅員ではなく簡易的に車1台が右折できるようなスペースを確保するというイメージ」(大分河川国道事務所  甲斐猛技術副所長)

担当者や当時の図面によると、この「狭すぎる」右折レーンが生まれたのは約20年前。
当時の図面などによると、もともとは左折と直進のみだったこの道路に、歩道設置工事の際につくられたという。

実はこの工事が行われる当初は直進と右折の兼用レーンで計画されていた。
それが完成時には直進の専用レーンとこの狭い右折レーンに。

河川国道事務所では詳しい経緯は不明としつつ、「地元の要望」を受けた変更ではと推察している。

交通量も理由のひとつに

また、この交差点は、直進は別府市方面、左折すると国道213号に入り豊後高田市につながる道で、非常に交通量が多くなっている。一方、右折は「集落に入る市道なので非常に交通量が少ない状況」という。

「右折する車両がいると後続の車が直進できず、渋滞してしまう。わずかなスペースでもいいので、右折をできるようなスペースを確保して直進車の妨げにならないようにということでこのような形になった。旧道と新道がいろいろ入れ替わっているので、その関係で付け替えが必要になってきていた。現在の幅員の中でいかに知恵を出して交通に影響を及ぼさない形で供用するというところで現在の形になっている」(大分河川国道事務所 甲斐猛技術副所長)

右折する際には、交差点内にある待機場所を利用してほしいとしている。

珍しいけど…近い将来なくなる

この珍しい「狭すぎる右折レーン」ですが、実は改良工事で正規の右折レーンとして3メートルほどの幅になる計画。
今後見られなくなる見通しのこの右折レーン。近くを通りがかった際に注目してみては。

(テレビ大分)