能登半島地震の被災地では、再び雨が。地震によって地盤が緩んでいるなか、大雨注意報が発表されていて、少しの雨でも土砂災害の危険度が高まる恐れがある。
■被災地に再び雨…土砂災害に注意

記者リポート:土砂ダムからあふれたとみられる水が流れて田んぼが完全につかっています。奥には大量の土のうが積まれています。
石川県輪島市では、地震が引き起こした土砂崩れによって水がせき止められてできた「土砂ダム」からあふれる水への警戒が高まっている。
輪島市を流れる河原田川では、川がせき止められ、ひび割れた県道の下を水が通るなど、本来流れる川の水のルートが変わっているということだ。
被災地では、夜にかけて雨が断続的に降る見込みだ。地震によって地盤が緩み、土砂災害が発生しやすくなっているため、少ない雨でも注意が必要だ。

記者リポート:午前8時半です。規制線の先に警察官が入っていきました。
輪島市の朝市通りでは、雨水を含んで重くなった建物が崩れやすくなったり、足元が滑りやすくなったりする中、18日も安否が分からない人の一斉捜索が行われた。 これまでに死亡した人は232人、安否が分からない人は21人となっている。
■断水続く中、お好み焼き店再開「地元のみんなの力になれるように」

一方で、被災地では日常が少しずつ動きだしている。
七尾市にあるお好み焼き店、店内はまだ被害のあとが残っているが…
お好み焼き平野屋 平野直樹店長:こういう時こそお客さんの力に、地元のみんなの力になれるように、と思い、営業再開しました。
断水はまだ続いていて、購入した水などで節水しながら営業している。
地元の客:久々にお好み焼き食べて。七尾市の公式LINEから営業やってるって連絡がきて、おいしくいただきました。
店員:ちょっとメニュー少ないですけど…。
100以上あったメニューは20品ほどに減らしていて、看板メニューの1つである「焼きそば」はまだ提供できない。
平野直樹店長:焼きそば作るときはお水をたくさん使うので、断水終わるまでは提供は、難しいかなと思ってます。営業できたのも皆さまの支援があってこそなので感謝したいです。
■黒板アートで感謝を伝える「被災している中でも感謝の気持ちを忘れない

珠洲市内にある県立飯田高等学校では、地震が発生した直後は約800人が避難生活を送っていた。 避難した人がそれぞれの家などに帰っていったあと、教室に「あるメッセージ」が残されているのが見つかった。
飯田高等学校 角秀明校長:(避難者が)帰られるときは、机も元の状態に全てきれいに直されて、こういう風に、最後に残られていた方が描かれました。

黒板には人気漫画「ワンピース」の有名な別れの場面がチョークで再現されていた。
「長い間!!!くそお世話になりました!!」
そして、「このご恩は一生…忘れません」と英語のメッセージも。
飯田高等学校 角秀明校長:われわれも不十分でしたけど、ご支援させていただいて、それに対する感謝の気持ちを、こういうふうにして表現していかれたので、非常に涙が込み上げてきました。
メッセージを書いた人の事は詳しくわからないということだが…。
飯田高等学校 角秀明校長:授業再開までは残しておけばいいかなと思う。自分たちが被災している中でも、感謝の気持ちを忘れてない、そういう方がいることを生徒には知ってほしい。
被災地では今も不安な生活が続いていますが、避難者の思いは、確かに届いていた。
(関西テレビ「newsランナー」2024年1月18日放送)