車の購入代金を払っても納車されず、社長が雲隠れ。
自動車販売店の未納車問題に、新たな疑惑が浮上した。

「販売店」とクルマの「所有会社」…食い違う主張

問題が相次いで発覚しているのは、静岡県内の新車や中古車の販売店。
男性は、この店と2022年10月、新車の購入契約を結び、代金の半分の165万円を振り込んだが、いつまで経っても納車されていない。

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さらに、販売店側は必ず返金するとしていたものの、そのほとんどが返金されないまま、社長が雲隠れしてしまった。販売店側は、なぜ返金に応じないのだろうか。

被害男性:
まあ、前金、頭金は(所有会社に)入金しているということを話で聞いていて、お金を(所有会社に)入れていたから、返せないということで、ズルズルと先延ばしにされていた。

そもそも、男性が購入した車は、渦中の販売店に並んでいる車ではなかった。

所有権は別の会社にあり、販売店側がその間を仲介。
男性が振り込んだ165万円は、所有社側に渡っているため返金できないという。

そこで、男性は車の所有会社を突き止め、連絡をした。

被害男性:
自分は頭金を(販売店に)渡してたんですけど、その金額っていうのは、所有会社さんの方に入金は…。
所有会社:
わかりません。おいくらぐらいだったんですか?
被害男性:
半額です。165万円。
所有会社:
165万円ですか。それはないですね。

販売店側の説明とは異なり、男性が振り込んだ165万円は、一切、所有会社に入っていなかったという。

被害男性:
正直、これが詐欺じゃなきゃ何なのっていう気持ちですよね。

専門家「詐欺に当たらないような対策は取られている」

一連の販売店側の行動は、詐欺罪に問えるのだろうか。
専門家は、詐欺にあたる可能性はあるとした上で、販売店側にある対策がなされていると指摘する。

弁護士法人橋下綜合法律事務所 松隈貴史弁護士:
業者に対して発注をかけているということであれば、それは納品するつもりであったんだろうというふうに推認が働いてしまうので、詐欺の可能性がぐっと下がってしまう。詐欺に当たらないような形での対策みたいなのは、取られているのかな。

販売店が、所有会社に金は払っていないものの、車の注文をしていることから、販売の意思がないまま、男性から金を騙し取ったとまでは言えないという。

返金もなく、納車もされないままの被害男性。今後も、警察への相談を続けていくとしている。
(「イット!」 12月19日放送より)