好きなキャラクターなどを応援する「推し活」グッズを意外な企業が発表した。それが仏具メーカーの株式会社はせがわが10月9日に発売した「推し壇」だ。“推し”のための祈りのステージだという。

(出典:はせがわ)
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国産のヒノキ材で作られた「推し壇」の重さは750gで、サイズは幅30✕奥行き15cmで、屋根の高さは「推し」のサイズに合わせて37~46cmまで4段階で調節可能。もちろん仏具メーカーだけあって、「推し壇」は本物の神棚と同じ素材・技法を用いた本格仕様になっている。

またACアダプターを用意すれば、付属のLEDテープライトを20色・21パターンで光らせ、好みのライトアップが楽しめるという。

(出典:はせがわ)
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さらに別売りの「壁掛け棚 白木 汎用」を用意すれば、石膏ボードの壁面に設置することもでき、こちらも別売の「お札立て 高欄型」と「推し壇」と組み合わせたイメージも公開している。

「壁掛け棚 白木 汎用」と組み合わせたイメージ(出典:はせがわ)
「壁掛け棚 白木 汎用」と組み合わせたイメージ(出典:はせがわ)

価格は「推し壇」が1万3750 円(税込)、「壁掛け棚 白木 汎用」は5500円(同)、「お札立て 高欄型」は2200 円(同)となっている。

株式会社はせがわといえばCMでもおなじみの仏具メーカーだが、なぜ「推し活」グッズを開発することになったのか?また、LEDを光らせるアイデアはどこから来たのか? 株式会社はせがわの担当者に聞いてみた。

「推し」の存在は生きる支え

――「推し活」グッズの開発は初めて?

初めての試みです。社内ではまだまだ「推し」や「推し活」に対しての認知度が低く、1から説明をすることからスタートしたので大変でした。

(出典:はせがわ)
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――なぜ「推し壇」を開発することになった?

推し壇は、当社の使命である「心の平和と生きる力を自らと人々が実現する」という考えがきっかけで開発されました。

開発者を含め、「推し」を持つ者にとって「推し」の存在は生きる支えであり、アイデンティティにもなり得るため、「推し」に感謝と祈りを捧げる行動は、「心の平和と生きる力」を実現させるものだと考えています。

そんな折に、商品開発、販売促進などのチャレンジ性の高いアイデアを採用する社内公募の企画があり、「推し壇」の企画が採用され、開発がスタートいたしました。

神様のお宮を“推し”が乗っ取っているわけではない

――開発に当たって苦労した点は?高さ調節や光るアイデアはどこから?

開発にあたって苦労した点は、既存の宗教観や祭祀方法について、どこまで模倣するのかを考える事でした。

高さ調整や、LEDライトなどの拡張機能については、推し活をしている自分自身が、実際に推しを祀った時に満足できるのか、自分の推しのカラーを表現するためには何が必要か?などを想像してみた結果、絶対に必要だと判断し取り入れました。

「お札立て 高欄型」と「推し壇」と組み合わせたイメージ(出典:はせがわ)
「お札立て 高欄型」と「推し壇」と組み合わせたイメージ(出典:はせがわ)

――「神棚と同じ素材・技法」って、逆に神棚とドコが違う?

一番大きな違いは、お祀りする対象です。一般的に神式のお道具には、神社でいただいたお札などの神様や、神道を信仰している方は、亡くなったご家族やご先祖をお祀りしますが、推し壇は、自分の「推し」をお飾りします。ご存命のキャラクターなど自分が愛する「推し」のためのステージです。

そのため、お飾りするものの形や大きさの種類が様々なため、出来るだけ自由にお飾りできるような設計にいたしました。また、様々な色で光らせることによって、推しのカラーに合った空間を表現できるようになっています。

そしてなにより、「推し」のために使用できる、神様のお宮を推しが乗っ取っているわけではなく「推しのために作られている」という文脈を提示できることが違いだと考えております。

新しい形の「推し活」を楽しんでほしい

――「推し壇」のこだわりは?

仏具店、宗教用具店でしか実現できない「品質と品格」に自信を持っております。本物の仏具、宗教用具と同じ素材と技法を使用している品質面はもちろんのこと、手を合わせる文化や、敬い・感謝の心を大切にしている当社から出る商品だからこそ、共感いただける安心感があるのではないかと考えています。


――「推し壇」を発表した反響は?

商品の特性上、PRに関しては一部のWEBメディアと自社のSNSのみに限定しておりましたが、リリースからわずか1日で約1万RT、160万の閲覧という反響がありとても驚いています。コメントも想像以上に好意的な評価をいただき、大変ありがたく思っています。

日本人は古来より日常的に神仏を共に敬っており、ご先祖様や大自然に感謝や祈りをささげていますが、この推し壇を通して、自分の大切なものに対して敬い感謝し、手を合わせる生活を大切に感じてもらえればと思います。


――「推し壇」で「推し活」をどう楽しんでほしい?

ただただ楽しく飾って気分を盛り上げていただくのも良し。荘厳に「推し」をお飾りして、「推し」からいただける癒しや、人生の教訓を改めて噛みしめていただくのも良いかと思います。「推し」を敬い感謝し、お祈りするといった新しい形の推し活を楽しんでいただけると幸いです。

(出典:はせがわ)
(出典:はせがわ)

もちろん「推し活」の楽しみ方は人それぞれで特に決まりはない。しかし、さらなる高みを目指す方は「推し壇」という新しいステージに飾ってみてはいかがだろうか。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。