筆ペンの技術を化粧品に！？
文具・画材メーカーのぺんてる株式会社が、研究開発から製造までを手掛ける化粧品ブランド「lulu's cosmetico（ルルズコスメティコ）」を新たに立ち上げた。筆記具製造で培ってきたペン先や色、素材の技術、使いやすさを応用した製品を展開していくという。
第1弾の製品として「リキッドアイライナー」を9月15日に発売開始した。
「リキッドアイライナー」では筆ペンで培ってきた技術を活用。高品質なナイロン毛に独自開発のテーパー加工（円錐状に先細りに加工すること）を施すことで、まとまりが良く吸水性に優れた、適度にコシのある穂先を実現。繊細さと大胆さが両立する安定した描き心地となり、自由な目元のメイク表現ができるという。
また、幅広い製品のインキや色材を研究開発してきた経験から、速乾性に優れつつも汗や皮脂に強く、発色の良いバルク（内容液）を開発したとのことだ。
「ブラック」「ダークブラウン」「プルシアンブルー」の3色で展開。生活雑貨店「ハンズ」全店（町田店、ハンズ ビーを除く）やハンズのオンラインショップ、「＠コスメ」のオンラインショップなどで、1本1650円（税込）で手にすることができる。
表現する場所を紙から「顔、目元」へ
「ぺんてるの筆記具」は現在120カ国で愛用されており、筆の運び方が異なる言語でも快適な書き心地を提供。子どもから大人まで使えるユニバーサルな製品だという。
その培ってきた文具メーカーの技術を、なぜ“化粧品”にすることにしたのだろうか。現在の反響は？ ぺんてる株式会社の担当者に話を聞いてみた。
ーーどのような経緯で“化粧品”を開発することにしたの？
文具・画材のメーカーとして、技術研究・製品開発から製品をプロダクトすると、様々な独自の技術が生まれます。その技術はぺんてるがこだわっている部分です。
（1）ペン先の技術、（2）色へのこだわり、（3）使いやすさ、（4）表現の自由。これらはすべて化粧品との親和性があります。表現する場所を紙から、顔、目元へ移すという発想から、化粧品の開発に至りました。
ーー第1弾に「リキッドアイライナー」を選んだ理由は？
皆さんもご存じの「ぺんてる筆」。その「ぺんてる筆」で培った穂先の技術を応用して、なめらかな肌心地で、筆のように描きやすいアイライナーの開発をスタートしました。
今まで化粧品メーカーとアイライナー用の共同研究を行った経験もあり、そこで培ったアイライナー用の穂先の技術を活用して、当社の強みを生かした化粧品開発という事でリキッドアイライナーの開発を選びました。
ーー筆ペンの技術を生かした部分を改めて教えて。
筆（穂先）の特徴の一つは、ナイロン毛です。ナイロン毛はバルク（内容液）との馴染みが良く、なめらかな筆らしい塗布感が魅力です。
独自の技術としては、優れた毛先のテーパー加工と様々な繊維種類の保有とその混毛技術があります。これらの技術を使い、他にはない細く、やわらかく、液馴染みも良いアイライナーができました。
「もはや筆だね」好評な売れ行き
ーー開発にあたり難しかった、苦労した点はどこ？
バルク（内容液）は1からの研究・開発、製造でしたので、とても難しかったです。文具・画材と異なり顔に使用するものですので、素材選び、選んだ素材と容器・穂先に合う濃度の調節など難しかったです。また、市場が求めている色の追求も苦労しました。
ーー現在の反響は？どんな声が届いているの？
おかげさまで「ぺんてるが化粧品業界に参入」という大きなニュースになりましたので、プレスリリースでの反響は大きかったと思います。また、現在はハンズ全店（ハンズ ビーなど一部を除く）で展開していますが、好調な売れ行きと聞いています。
「もはや筆だね！」「これは全然ちがう！」「やわらかい」「描きやすい！」「落ちない」「優しい黒だね」「ほかにはない青、きれい」など、多数ご意見をいただいています。
ーーそんな反響に対しては、どう感じている？
ぺんてるにとって初めてのリキッドアイライナーですので、ご好評いただきとても嬉しいです。店頭で一度試していただけると、違いが分かると思います。
ーーどんな人におすすめ？
筆（穂先）のナイロン毛はバルク（内容液）を含むととても柔らかく優しいタッチです。太くも細くも描けて、1本で「キリッ」や「ふんわり」など目元を自在に表現できますので、さまざまな場所で活躍されているプロのメイクアップアーティストさんから、メイク好きな方、またメイクが苦手な方にもぜひおすすめしたいです。
また、バルク（内容液）の成分もパラベンフリー、エタノールフリー、鉱物油フリー、合成着色料フリー、無香料です。できるだけ安心・安全なものを提供できるよう工夫していまして、お肌の弱い方にもお使いいただきたい製品です。
担当者によると、今後さらなる色展開の可能性もあるとのことで、「今後のお楽しみです」と話していた。
ちなみに、第2弾もすでに決まっているという。次はどんな製品となるのか楽しみに待ちたい。
