18年ぶりに「アレ」の瞬間が訪れるかもということで、 阪神タイガーズファンは胸の高まりを抑えきれないようだ。大阪の街は、その時に備えて厳戒態勢となっている。その様子を取材した。

1985年の“アレ”の時は「カーネル像」が川に投げ込まれ…

「アレ」をすると異様な盛り上がりをみせる阪神ファン。

さかのぼること38年前。 1985年…当時、21年ぶりのリーグ制覇を果たしたときにも大阪の街にあふれた阪神ファン。

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梅田からミナミへの大行進があった。

そして、一部のファンがケンタッキー・フライドチキンのカーネル・サンダースの像を道頓堀に投げ入れるという暴挙に…そのままカーネル像が浮かぶことはなかった。

2009年「カーネル像」は道頓堀川の川底から発見

しかし、約24年後に川底にあったカーネル像が奇跡的に発見された。

現在は、ケンタッキー・フライド・チキンの関西オフィスの受付で、「幸せの象徴」として来客を出迎えている。

日本KFCホールディングス広報課 中川純一さん:
阪神タイガースが“アレ”しそうということで、弊社も一緒に思い出にしていただけることは非常にうれしく思っております。カーネルも天国でよろんでいるんじゃないかと思います

2003年のリーグ優勝時は5000人超が川へ飛び込む

2003年、長い低迷期を経て18年ぶりのリーグ優勝の時にも、またミナミの街にはファンが殺し、車道を歩いたり、花火をあげたり、街頭や飲食店の屋根に上るなど危険な行為が横行。

この時は、かに道楽の“かにの目”が取られてしまった。

記者リポート(2003年):
午前3時半を過ぎました。警察の部隊に向かって物が投げ込まれています。大変危険な状態です

警察官との衝突…暴行や器物損壊などの事件も多数発生した。 そして、戎橋では道頓堀川に約5300人が飛び込み、1人が死亡する事故も起きた。

こうしたこともあり、2年後の2005年には阪神が優勝に向かって盛り上がる中、戎橋には飛び込み防止のためのフェンスが設置された。

それでも優勝が決まると街は大騒ぎ…ひとたび転倒が起きれば危険な状況になった。

ミナミは厳戒態勢で「アレ」に備える

今回も、18年ぶりの「アレ」となれば街が混乱する恐れも…

記者リポート:
道頓堀通にある串かつ・だるまでは、名物のこちらのオブジェがカーネル・サンダースの二の舞にならないかと心配されています

店長も生粋の阪神ファン。 にぎやかになる期待と不安で複雑な思いだ。

串かつだるま道頓堀店 中嶋隆晴店長:
優勝決まりそうになったら、店の外出してるものを店内に入れたりとかは考えてます

また、戎橋のすぐそばの「びっくりドンキー」は「アレ」が決まり次第、閉店することにしている。

びっくりドンキー道頓堀店 従業員:
試合の速報を見つつ判断するって感じですね。決まるのが9時前後になると思うので、そこから軽く閉店作業して10時にはみんな外出て店内には残らない対策を取っております

記者リポート:
「アレ」がかかった試合が行われるということで、大阪府警は今夜、街中の警備体制を強化することにしています

「アレ」に備えて、大阪府警は、警察官約1300人で大阪市内の繁華街を見回ることにしている。

人が集まる橋の上では…

記者リポート:
いわゆる“DJポリス“が戎橋では3名、道頓堀橋には2名配置され、「川に飛び込まないで!」と呼びかけることにしています

さらに、このあと道頓堀橋から戎橋沿いのとんぼりリバーウォークも閉鎖して、飛び込みができない状況にするということだ。

(関西テレビ「newsランナー」2023年9月14日放送)

関西テレビ
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