“事前避難所”を2倍に 密にしないために「分散避難」が鍵

宮城・気仙沼市唐桑町にある公民館。
この施設は、災害が起きた際、300人を収容できる指定避難所だが…

中井公民館 菊田博副館長:
通常であれば、こちらの施設を一般の方の避難所として利用するように考えています

台風が接近した時など、実際に被害が出る前でも避難することができる「事前開設避難所」としても新たに利用されることになった。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、気仙沼市はこのような事前開設の避難所を、これまでの12カ所から2倍以上の25カ所に増やした。
事前に避難者を「分散」させることで、避難所での3密を避けるのが大きな狙いだ。

一方で…

中井公民館 菊田博副館長:
(感染が)疑わしい人を分離する際に、和室と研修室に分離することは可能だが、トイレは『1カ所』ということで、動線がかぶってしまいます

一口に「避難所」と言っても、公民館や学校など、施設によって構造や部屋の数、収容できる人数は大きく異なる。

気仙沼市では、それぞれの避難所の実状に応じた感染症対策が必要だと考えている。

気仙沼市危機管理課 鈴木秀光防災情報係長:
感染症対策の資機材はまだ足りないですが、お渡ししますので、お使い下さい

このため気仙沼市は、各施設の管理者と話し合ったうえで、1つ1つの避難所ごとに専用のマニュアルを作成することを決めた。

気仙沼市 危機管理課 鈴木秀光防災情報係長:
事前開設避難所を25か所に増やしていますが、全て見て回りながら、施設管理者の方と相談して、それぞれに対応した対応マニュアルを作っていきたいと考えています

そのえで、身の危険を感じた時の対応として、「避難所への避難」が最優先としながらも、「自宅避難」も選択肢に入れてほしいと呼びかける。

気仙沼市危機管理課 鈴木秀光防災情報係長:
安全な状態なのに、無理して避難しなくても、ご自宅で安全であれば、とどまっていただくことも検討いただければと思います

2019年に台風被害…出水期を前に対応急ぐ自治体

出水期を前に、いっそう準備を急ぐ自治体がある。
2019年10月の東日本台風で、大きな被害を受けた丸森町。

丸森町 消防防災班 石田真士班長:
隣との接触がないように対応できるテント、ということで考えています

丸森町では、避難所の3密が避けられない場合は、災害用テントや段ボール製の間仕切りを活用することで、避難者同士の接触を減らすことを検討している。
ただし、こうした資材には、数に限りがある。

丸森町 消防防災班 石田真士班長:
まだ全然、新型コロナの部分で物が整わないということで、これからどの程度の期間で入ってくるか、まだ不透明な部分があります

さらに…

丸森町 総務課 川井縁地域防災マネージャー:
(東日本台風の影響で)やはりハード面での防災力は低下しているのが現状。弱い台風や豪雨でも、甚大な被害が出る危険性が非常にあると危惧しているところです

こうした中、3密を避けるために丸森町が検討を進めているのが「車による避難」。
町内に33カ所ある避難所や避難場所のほかに、駐車場などあわせて300台分の専用の避難場所を確保した。
今後、近隣の自治体にも避難先を確保しようと、調整を進めている。

丸森町 総務課 川井縁地域防災マネージャー:
駐車場には休憩スペース、トイレ、ちょっとした運動ができるホールがないと、エコノミー症候群とか、特に高齢の方は注意が必要ですので。車両で避難する時には、(駐車場に)付帯施設があるのが重要だと思います

さらに丸森町では、「大雨警戒レベル3」の段階で、高齢者などを優先的に避難させる「段階避難」の検討や、災害時に町民が取るべき対策を時系列でまとめたタイムライン「避難行動計画表」を地区ごとに作るよう急いでいる。

いつ起きるかわからない、次の災害に備えて…
避難所のコロナウイルス対策は待ったなしの状況だ。

(仙台放送)