白い服を着た人物が、人を殴ったり、蹴ったりするこの映像。2022年9月、静岡・沼津市の病院で起きた、准看護師らによる患者への暴行の様子だ。

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FNNの報道で実態が明らかになってから、約半年。2023年6月20日、事件が大きく動いた。病院内に設置された、監視カメラが捉えた映像が決め手となり、警察は当時病院に勤めていた2人を書類送検したことがわかった。

患者の顔を殴り、腹に蹴り…暴行の実態

これが暴行の実態を捉えた、2022年9月15日の監視カメラの映像。

画面下から現れたのは、准看護師の男(50代)。すると突然、右手で患者の顔を殴りつけた。さらに患者を部屋の端へと追い込むと、再び、手をあげる。

この2週間後の28日の映像には、同じ准看護師の男が同じ患者に対し、腹に蹴りを入れ、頭を殴る様子が映っている。こうした暴行の実態について、准看護師の男は、イット!の直撃取材に対し、暴行を認めた上で次のように説明した。

Q.何回くらい暴行行為を働いた?
50代の准看護師:
まぁ10回くらいかなっていう感覚があります。今までしたことに関しては許していただきたい。そう言わざる、そうしかないと思います。

暴行した理由について問いかけると…。

50代の准看護師:
患者さんが床に食べ物を置いてしまうんです。その不潔行為を防ぐために(暴行を)やってしまったというか。指導が行き過ぎたかなって感じはありました。

患者に暴行を繰り返したことを認めた、准看護師の男は、この映像が決め手となり、暴行の疑いで書類送検された。

さらに警察は、車いすに座る患者を転倒させ、患者を蹴り、けがを負わせた傷害の疑いで、看護師の男(40代)も書類送検した。

書類送検を受けて…病院長は「知らないです」

病院に勤めていた准看護師ら2人が書類送検されたことを受け、FNNは2023年6月20日、病院長にコメントを求めた。

Q.元看護師ら2人が暴行と傷害の疑いで書類送検されましたが。
加藤政利病院長:
それはちょっと知らないです。

Q.コメントいただけないですか?
加藤政利病院長:
聞いてないです。それは知らないです。

Q.コメントお願いします。
加藤政利病院長:
ついてこないでください。

病院長は何も答えず、カメラを避けるように、路地へと立ち去った。

関係者「病院の体質は何も変わっていない」

病院内で起きた、准看護師らによる患者への暴行。FNNに証言した病院関係者を取材すると「病院の体質は何も変わっていない」と話す。

病院関係者:
病院はこれを機に変わろうとしていません。病院内の体質は何も変わっていないです。病院関係者として残念だし、情けなく思います。

病院長は先ほど、弁護士を通じて、「当院の元職員が送検された事実を重く受け止め 患者さま ご家族の皆さまに多大なるご心配をおかけいたしましたことを深くおわび申し上げます。今後も県の指導に従い、再発防止に努めてまいります」とコメントを発表した。

(「イット!」6月20日放送より)