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私たちは「みんなで⽇本をHAPPYに!」という思いを軸に、モノづくりを通したソーシャルビジネスを実践しています。誰もが喜びを感じて働ける社会の創造を⽬指し、HAPPYを循環させる活動に取り組んでいます。今ある資源を活かしながら、社会課題を解決するビジネスモデルや、障がい者への就労サポートなどを⾏う福祉作業所との連携、多様な⼈々が働ける場の提供など、SDGsに貢献した仕組みづくりや、商品企画・開発・⾷品製造を⾏っています。


取り組みの一つとして、2017年にコオロギフード専門ブランド「コンフェクショナリー・コオロギ」を立ち上げました。「食べやすい、買いやすい、そして美味しい」をモットーに、SDGsのシンボルフード・コオロギのお菓子やおつまみを展開しています。本ストーリーでは、代表の小澤尚弘から、株式会社MNHのコオロギ食にかける想いや開発秘話をお伝えします。




取締役社長 小澤尚弘

東京都・⻄東京市出⾝。5歳からピアノをはじめ、中学でギター、⾼校ではバンド活動など⾳楽漬けの⽇々を送る。その後、⾃分で演奏するのではなく、演者が輝く舞台を整える裏⽅業に魅⼒を感じ、2002年からNPO法⼈チェロコンサートコミュニティー(ガスパール・カサド国際チェロ・コンクール事務局)にて事務局業務に携わる。2010年地域資源を活かした商品の企画・製造・販売事業を⾏う株式会社MNHに⼊社。翌年、同社の取締役社⻑に就任し、業界のスキマをついた商品で、地域資源の活⽤・課題の解決を図っている。

社会的意義があり、未来を考えるきっかけとなるコオロギ事業

私たちはモノ作りを通したソーシャルビジネスを実践しています。MNHが事業を⾏ううえで前提としているのが「多様な⼈が働ける場を⽣む」ということ。社会に⽣きづらさを感じている若者や、引きこもり経験者を積極的に雇⽤したり、福祉作業所に仕事の依頼をする仕組みづくりを⾏っています。その仕組みを持続可能なものにするため、様々な商品企画・開発・⾷品製造に取り組んでおり、コオロギ事業もその⼀つです。


食用コオロギは社会的意義も⼗分にあります。未来のことを考えるきっかけづくりとして、またこれからの⾷に対し、選択肢を広げるという⼤きな役割もあります。

⽇本におけるコオロギ事業は、需要と供給がアンバランスなため、市場としてはまだ途上の段階です。しかし、私たちはコオロギ事業を新たな産業として考え、HAPPYな循環を⽣み出すことに、これからも真剣に取り組んでいきます。


オーガニック認証を受けたカナダのファームとの取引を開始

昆虫食に関する雑誌を目にし、調査を開始したのが2016年のことです。当時はまだ日本で昆虫食を取り扱っている企業はわずか数社だったと思います。世界を見ても、コオロギビジネスを展開する企業は多くありませんでした。「自分たちが新規参入するには、まずコオロギの原料仕入が必要だ」ということで世界中飛び回って現地調査を開始。私たちが1番最初に取引を開始したのは、カナダのエントモ社でした。エントモ社はオーガニック認証を受けているコオロギファームです。

自社工場で製造を開始。当初は売れず

エントモ社のコオロギを使って、第1号商品『未来コオロギスナック1』が誕生します。この商品誕生の裏側にはさまざまな葛藤がありました。『未来コオロギスナック1』は乾燥させたコオロギそのままをチーズ味のスナックに混ぜたもの。開発担当者の間で「コオロギの形をなくすべきだ」「いや、そのままの形を残すべきだ」と意見がわかれることに。最終的にはコオロギをそのままの形で販売するのですが、それはインパクト重視の意図以外に、別の理由がありました。


当時は、コオロギの原材料を受け入れて製造してくれるOEM工場がなかったのです。虫は食品の中に入ると「異物」になってしまう。異物混入と言われるリスクを考え、どこの工場も引き受けてくれなかったため、自社工場で『未来コオロギスナック1』を作り上げました。ようやく完成した商品でしたが、今度はパッケージで議論を生みました。ここでもコオロギを見せる、見せないが論点となるのです。「やっぱりインパクトが大事だ!」と思って、見せるパッケージで販売を開始したのですが、まったく売れませんでした。



【未来コオロギシリーズ】未来コオロギスナック1 

最初のヒットは突然に。国立科学博物館にて5,000袋を完売

初めてのヒットは2018年のことです。国立科学博物館で開かれた特別展「昆虫」という展示会の物販担当者が、まずは20袋をオーダーしてくれました。展示会関係者の中にはまだ、昆虫食を販売することに懐疑的な人が多かったそうです。それがプレオープン初日に20袋すべて完売し、追加発注が入ったのです。最終的に、約1か月間のイベント期間中、5000袋ほど売れ雑誌でも大きく紹介されました。昆虫展のアンケートには「昨今、話題の昆虫食に関する展示がなかったが、物販でそれを補完していたのが良かった」との声も。これは当時の私たちの原動力となりました。

大手企業の参入で見えた突破口

2019年に「無印良品がコオロギせんべいを販売する」というプレスリリースが配信されました。知名度のある大企業の参入。私たちは「これは昆虫食が話題になる!」と喜び、自社商品のラインナップを増やすことを決めました。この頃には大手スナック製造工場がOEMを引き受けてくれるようになりました。パートナー企業と協力して商品数を揃えていったのです。

虫嫌いの人を考慮してパッケージも刷新し、外からコオロギが見えないものへとリニューアル。とにかく食べやすくおいしいお菓子やおつまみを目指そうと開発したのが『未来コオロギスナック2』でした。国産米と旨味成分・グルタミン酸たっぷりのコオロギ粉末をパフ化し、馴染みのあるラーメン味にすることで、ビギナーでも抵抗なく召し上がっていただけるように工夫しました。



【未来コオロギシリーズ】未来コオロギスナック2 200円(税込)



そして、2020年5月に無印良品からコオロギせんべいが発売されると、一気に追い風が吹きました。


それまでは問屋、小売店、いくら営業してもまったく相手にされませんでした。「異物混入で騒がれたらどうするんだ」「お客様が悲鳴をあげてしまうよ」などいろいろなことを言われてきました。大手企業が昆虫食を販売したことで、人々の意識が変わったと思っています。「昆虫食は販売しても大丈夫なんだ」と理解され、私たちの商品への問い合わせが増えていったのです。

世の中のSDGsブームもあり、これまでのさまざま苦労や葛藤がようやく報われはじめました。そして未来へと、着実に歩みを進めています。




【Superコオロギシリーズ】 スーパーコオロギおつまみせんべい 七味しょうゆ・黒胡椒しょうゆ 各260円(税込)

カナダ産オーガニックコオロギの粉末をまぶした、おつまみに最適なお煎餅です。

買いやすく、食べやすく、そして美味しく。

現在、コオロギの価格は100gのコオロギパウダーで約2000円。豚肉や鶏肉と比較すると約10倍の価格で、日常的に購入するには高い金額です。いくらタンパク質量が豊富といっても、この値段では手を出しづらいですよね。これでは結局、肉の消費量は増え続けるばかりで、環境破壊も止められない。価格を下げて消費者が買いやすくする取り組みは、これまでも実施してきました。


たとえば、いきなり50g、100gのパウダーを売るのではなく、量を減らして2~300円程度のスナックとして販売するなど価格にはこだわってきましたが、これでは本質的でないと思っています。本当にコオロギ自体の価格を下げるには需要と供給のバランスを整えることが必要なのです。


世界的にコオロギファームが増加したこともあり、供給は十分すぎるほど整っています。その供給に対して、どのように需要を上げていくことができるのか。現在私たちが出している答えは、コオロギをそのままの形で販売することです。なにより、コオロギはそのまま食べたほうが絶対に美味しい!しかし、どれだけメリットをお伝えしても、コオロギを食べない人は食べません。

消費者が買いやすい商品開発を

消費者数を増やすことは現状難しいですが、消費量はまだ増やせると思うのです。コオロギの特性を理解すると、パウダーの販売では短期間にコオロギ消費量を増やすのは難しいとわかります。


コオロギパウダーを販売しても消費量が増やせない理由①

コオロギパウダーを使った製品は、せんべいやクッキーなど固形物として販売することが主流です。

しかしコオロギパウダーの使用量を増やすと、固まりにくくなり、製品として成形できないのです。コオロギには油分が多いという特性があり、加工したパウダーにも多くの油脂が含まれているためです。


コオロギパウダーを販売しても消費量が増やせない理由②

また、仮にコオロギパウダーを増やして商品開発できたとしても、一般的なスナックの相場価格より高くなってしまいます。パウダーに加工するという手間賃が上乗せされるためです。そもそもパウダー量を増やせない。仮に増やしたとしても価格が上がってしまうという悪循環になってしまうのです。


コオロギそのままの姿を使った『未来コオロギオツマミ』とパウダーを使った『未来コオロギスナックⅡ』。2つの製品のコオロギ含有量は3倍も違います。量は3倍多くても、価格はほとんど変わりません。消費量を増やして、今より低価格で販売することができたら、また新たな消費者を増やしていける。そして市場が拡大していけばさらに消費者が買いやすい商品開発を進めることができる。そんな好循環を生み出すことが私たちの使命だと感じています。コオロギの消費量を増やすためにも私たちは、パウダー製品だけでなく、コオロギそのままの状態の商品開発を積極的に進めて参ります。



【未来コオロギラボシリーズ】コオロギ食べくらべキット 734円(税込)

食べながらSDGs・昆虫食を体験して学べる「未来コオロギラボシリーズ」。産地、品種など、全てが違う3種類のコオロギの食べ比べが楽しめます。


地球の未来へ向けて、コオロギ食の展望


2050年、世界⼈⼝は97億⼈に達し(現在は80億⼈)、今の2倍の⾷糧⽣産が必要になると⾔われています。しかし地球の資源には限りがあるため、早ければ2030年頃には世界的なタンパク質不⾜が起こるとも予想されているのです。その状況を乗り越える⼀つの⼿段として、昆⾍⾷が注⽬されています。中でも環境負荷の少ないコオロギは、⾷⽤としてはまだなじみが薄いものの、実は栄養価に優れタンパク質も豊富。育てやすく味が良いことから世界的にも⼈気が⾼まっています。


かつて⽇本では、昆⾍を⾷べる⽂化がありました。例えば、イナゴや蜂の⼦などがあります。これらの昆⾍は栄養補給だけでなく、イナゴは稲作にとっての害⾍駆除効果、蜂の⼦は漢⽅薬や健康⾷品などにも⽤いられています。特に、⼭に囲まれた県では⿂からたんぱく質を摂ることが難しかったこともあり、昆⾍が⾷品として使われることが多かったのです。


近年、昆虫食は話題となり、新規参入するプレイヤーが増えてきました。一緒に市場を盛り上げる仲間ができることは喜ばしいことです。しかし私たちは、いち早く日本でコオロギビジネスを開始したという自負がありますし、責任も感じています。

先駆者である私たちがやるべきこと、やりたいこと

それは自分たちが販売しているコオロギに自信をもって、食材としての魅力をより多くの人に広めていくことです。コオロギは環境にやさしく、高たんぱく質なスーパーフード。しかし食用コオロギに対して、抵抗を感じる人はまだ多くいます。ゆえに「コオロギ」という名称を「クリケット」にして、イメージを和らげるほうがいいのではないか。そんな意見をたくさんいただきました。


でもそれは、「消費者に対して正面から向き合っているのだろうか」と疑問に思うのです。たとえ、コオロギと知らずに買ってもらえたとしても、後でわかったとき、コオロギへの抵抗感がかえって強まるのではと考えました。食用コオロギと理解したうえで購入してほしい。だから私たちの商品にはすべて「コオロギ」という名称がついているのです。正々堂々と「コオロギ」と書いていても消費者に満足してもらえるよう、自信をもって商品販売をしています。まずは消費者が買いやすい価格で届ける。買って食べてもらえたら「意外と美味しいじゃないか」と思ってもらう。そうしてコオロギへの抵抗感を取り除いていきたいのです。これからも「買いやすく、食べやすい。そして美味しい商品づくり」をモットーに、食用コオロギの需要を高められるよう努力してまいります。


【会社概要】

会社名 : 株式会社MNH

事業内容 :製造業

代表者 : 小澤尚弘

所在地:東京都調布市調布ヶ丘1-34-1

URL :http://mnhhappy.com/




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